yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『詩吟』。民謡のコブシ、節回しとおなじくの吟詠の強烈なアーティキュレーションにはたしかに情念くすぐり心捉えるものがあるようだ。

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詩吟「夜墨水を下る

            

きょうは、「鞭聲肅肅夜河を過る(べんせいしゅくしゅく よるかわをわたる)」と、朗々と吟ずる詩をどこかで一度は耳にされていると思われる、その詩吟の投稿。我がブログタイトルの「脳をマッサージ」ということでの登場ということでもある。べつに私は(歴史・英雄主義)壮士的思想の持ち主でもなんでもないけれど、この腹の底から生気解き放つが如き律動をもっての漢詩の吟詠には少なからずの関心の耳をもっていたほうかも。拙ブログで、律動を持って揺らぎながらユニゾンで読経する声明(しょうみょう)など早い時期に投稿しているように、生理的に、こうしたコトバの律動などを受け入れる感性があるようだ。ということで、『詩吟』のCDを図書館のネット予約で借り受けた。ところでこのCD、練習用なのかどうか分からないけれど、漢詩文が載っているだけのそっけない2枚組みのアルバムだった。詩吟協会などの普及・練成用自費出版かとも思ったが。それはともかく、民謡のコブシ、節回しとおなじくの吟詠の強烈なアーティキュレーション(articulation)にはたしかに情念くすぐり心捉えるものがあるようだ。なんでもかんでもしょっちゅうこの様にハイテンションで様式的に詩文を吟ずるのでもないのだけれど・・・。私だけかもしれないが、斯くうたい吟ずるパッション、エートス、その情念的なアーティキュレーションには魅つけられるところがある。



       <事に感ず>


       花開けば蝶枝に満つ

       花謝すれば蝶還稀なり

       惟旧巣燕あり

       主人貧しきも亦帰る




『詩吟』

ディスク:1
1. 芳野懐古
2. 辞世
3. 九月十日
4. 金州城下作
5. 九段の母
6. 奥の細道
7. 山中の月
8. 棄児行
9. 九月十三夜
10. 題壁
11. 偶成
12. 大楠公
13. 凱旋
14. 城山
15. 爾霊山
16. 本能寺
ディスク:2
1. 鞭声粛々
2. 白虎隊
3. 静御前
4. 噫広瀬中佐
5. 訣別
6. 銀も金も玉も
7. 防人に往くは
8. 東海の
9. 幾山河
10. 事に感ず
11. 春暁
12. 江南春
13. 静夜思
14. 春夜洛城聞笛
15. 虞美人艸



http://www.kangin.or.jp/what_kanshi2_f.html 関西吟詩文化協会(公開音源)
http://www.ginken.or.jp/monthly/music/index.html 吟詠試聴
http://www.kangin.or.jp/young_gin/index.html 「YOUNG GIN~若人たちの詩吟~」


新春吟詠2008