yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ヴィンコ・グロボカール『Discours II 』ほか。音楽することの始原、自由へとその超絶技巧は差し向けられている。そこがグロボカールの魅力でもあると言っておこうか。

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Vinko Globokar: Discours II pour cinq trombones [1/2]

           

イメージ 2ヴィンコ・グロボカール(Vinko Globokar, 1934 - )といえば、その超絶的なトロンボーン演奏に耳傾けるということとイコールだ。ただそれは即興演奏という事態でのそれであって、譜面に固定された超絶技巧を披露するといった趣のものではない。超絶技巧の曲弾きに拍手喝采聴き入るといった能天気なそれではない。音楽することでの自由、可能性を求めるといった試みと云えるのだろう。だからこそ、そこに初めて出会う斬新の刺激を得るといった極上の体験を味わうことが出来るのだといえよう。≪グロボーカルの音楽は、自発性、エネルギー、型破りな楽器な作曲技術の斬新な使用が特色である。その作品は、ジャズやフリー・インプロヴィゼーションというグロボカールの背景を反映して、不確定で即興的である≫(WIKI)との説明につきるのだが、ともかく超絶のトローンボーンが切り開く音楽の世界は刺激と伸びやかさに満ちており聴くものをインプロヴィゼーションの魅力へと誘う。音楽することの始原、自由へとその超絶技巧は差し向けられている。そこがグロボカールの魅力でもあるといっておこうか。だからこそ、ソロパフォーマンスにとどまらずコレクティヴなインプロヴィゼーションでも音楽史に良きドキュメントを残しているのだろう。



Vinko Globokar 『Discours II (Vinko Globokar)/ Sequenza V (Luciano Berio)
/ Solo Für Melodie-Instrument Mit Rückkopplung(Karlheinz Stockhausen) / Consecuenza(Carlos Roqué Alsina)』(1969)

Tracklisting:

A1. 「Discours II」 Vinko Globokar
A2. 「Sequenza V 」Luciano Berio
B1. 「Solo Für Melodie-Instrument Mit Rückkopplung」 Karlheinz Stockhausen
B2. 「Consecuenza Op. 17」 Carlos Roqué Alsina





ヴィンコ・グロボカール関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56327963.html ヴィンコ・グロボカール「ECHANGES」(1973)ほか。身体的制約からの超越が繰り出すヴィルトージティを超えた人間技の圧巻。斬新で、緊張感に満ちた音響パフォーマンス。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56050575.html ヴィンコ・グロボカール『DRAMA UND CORRESPONDENCES』(1971)。そのヴィルトージティの目くるめくばかりの即興演奏の見事さは、まさにスリリングな快感以上ではない。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55562011.html ヴィンコ・グロボカールら4人編成の即興演奏集団「NEW PHONIC ART」(1971)。≪有機的に生まれる反応の連鎖≫が作り出す緊張感に満ちた圧倒的にスリリングな音響空間。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55488116.html 『ヴィンコ・グロボカールの音楽』(1973)。60年央から70年代にかけての集団即興演奏の熱気。ヴィルトーゾがなす集団即興演奏の凄み。煌めく空間の密度と緊張感。