yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アンドレ・ブクレシェリェフ『ARCHIPEL(群島)Ⅲ』(1969)。このエモーショナルでエネルギッシュな緊張感溢れた音響空間が、どこでどうなってグラフィックスコアから飛び出してくるのだろう。

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Boucourechliev- Archipel III:Andre Boucourechliev's indeterminate "Archipel III", for percussion and piano. Georges Pludermacher performs the piano part.

            

イメージ 2つい1週間ほどまえに投稿したアルバムに収録されていたブルガリアを出自とするアヴァンギャルド作曲家アンドレ・ブクレシェリェフ Andre Boucourechliev (1925 – 1997)の『ARCHIPEL(群島)』のヴァージョンⅢが、おなじピアノと6種のパーカッションの構成でパフォーマンスされた(今回のアルバムヴァージョンではピアノにGeorges Pludermacher、パーカッションにストラスブルグ・打楽器合奏団 LES PERCUSSIONS DE STRASBOURGという構成)ものが収録された、俗称フィリップス現代音楽“銀ジャケ”シリーズの一枚が今日取り上げるアルバム。前に投稿した『ARCHIPEL(群島)Ⅰ』(1967)では

【 最後は、猛烈と評してもいいようなエネルギーに満ち溢れたパワフルな2台のピアノと54種の打楽器を奏する二人のパーカショニストのための『ARCHIPEL(群島)Ⅰ』(1967)。この作品は時代性を象徴する不確定・偶然性を要素として持つ作品のよし。それにしても、凄まじいパワーの作品だ。】

と記した。斯く基本的な印象は変わりないけれど、きょうの『ARCHIPEL(群島)Ⅲ』(1969)は、よりパワフルでパッショネートだ。いわゆる図形楽譜での不確定・偶然性を取り込んだパフォーマンスであることは変わりないのだけれど、このエネルギッシュな緊張感溢れた音響空間が、どこでどうなってグラフィックスコアーから飛び出てくるのだろう。そうした思いに駆られるほどにすばらしく引き締まったダイナミックな音響で埋められ終始するのだ。これは聞けば聴くほど刺激的で面白く快感に酔うパフォーマンスだ。ひとだれしも、ときに腹の底から叫びたい衝動に駆られるときがあることだろう。まさにそうした叫びの衝迫を聴く思いがするほどにエモーショナルな劇的サウンドに満ちている。この情念の根はいったいなにか?それはどこからくるのだろう?。




『ARCHIPEL(群島)Ⅲ』(1969)

Tracklisting:

A1. Archipel 3 (1ère Version) (13:55)
A2. Archipel 3 (2e Version) (14:20)
B. Archipel 3 (3e Version) (21:20)


http://www.boucourechliev.com/flash_eng/ André Boucourechlievオフィシャルサイト