yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ピエール・アンリ『Voile D'Orphée I Et II / Entité / Spirale』。多彩なエレクトロニクな音の表情、鮮やかに組み立ててみせるエレクトロニクノイズへの超絶センス。

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Bejart Variations pour un porte et un Soupir. Bejart

            
            投稿音源のものではありません。

イメージ 2ひさしぶりに、ピエール・アンリPierre Henry(1927-)のアーティフィッシャル(artificial)テクノノイズサウンドの鑑賞。私は
「神を讃えることを唯一の目的としないすべての音楽は、音楽ではなくて混沌であり悪魔の騒ぎにすぎない。」
とのたまうバッハも好きだし、アーティフィッシャルなノイズ、ヘビーメタルな狂騒も、民族音楽も、純邦楽も好きだといういわば、パラノあんどスキゾな難儀な音楽数寄と自認している。このノイズへの、人工的な美(エレクトロニクスなもろもろのアーティフィッシャルな美)への偏奇は如何ともしがたくはや3年にわたり≪変わったジャンルの音楽のメッセージで脳をマッサージ≫ということを目論んで≪イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽≫とタイトルしてブログ投稿をつづけてきた。その極致のひとつといえるのがピエール・アンリだ。さいわいきょうの俗称銀ジャケのアルバム『Voile D'Orphée I Et II / Entité / Spirale』は未だ投稿してなかったので初登場。ギリシャ神話のオルフェウス 神話伝説を題材にしたミュージックコンクレート作品でモーリス・ベジャールのダンス伴奏音楽用の作品とのこと。それにしても収録されているのは2つのヴァージョンなのだけれど、A面のヴァージョンは『Voile D'Orphée I』≪Orphée (1951-53), opéra expérimental (de Pierre Schaeffer en collaboration avec Pierre Henry, chorégraphié par Maurice Béjart) ≫とあるように、なんと戦後もそれほど時間が経っていない50年初頭の先駆的ミュージックコンクレート作品であることに先ず驚く。そしてB面もおなじく別ヴァージョンで、より煮詰めあげた『Voile D'OrphéeⅡ<Spirale> (1955)、<Entité>(1959)』が収録されている。
多彩なエレクトロニクな音の表情、手にとるように鮮やかに組み立ててみせるエレクトロニクノイズへのイメージ 3超絶センス。いま聴いてもチープなサウンド印象など微塵もない。音と音の出会い、組み合わせ、その天性の人工感覚、それらが放つ異相のノイズサウンドへの天才的嗅覚には、いつもながら痺れさせてくれて刺激的だ。異相な世界への導き、アーティフィッシャルartificialな偏奇な美への讃仰は止みそうにない。すばらしい人工感覚(半世紀も前なのだ!)といっておこう。シンセサイザーサウンドではない手作りであることに先ずおおいに驚くべきだといって、この稿擱こう。




Pierre Henry『Voile D'Orphée I Et II / Entité / Spirale』

Tracklisting:

A. Voile D'Orphée I (Version Intégrale) (27:15)
B1. Voile D'Orphée II (15:40)
B2. Entité (5:45)
B3. Spirale (4:25)