yuki-midorinomoriの日記

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ジェルジ・リゲティ『弦楽四重奏曲第二番』(1968)、アール・ブラウン『弦楽四重奏曲』(1965)ほか。

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Parker String Quartet plays Ligeti, Part.2:from the Quartet #2, 4th movement

            

ほぼ3年前にドイツ・ヴェルゴ盤を取り上げ≪ジェルジ・リゲティの堅固な弦の響き『弦楽四重奏曲第一番』(1953)。微細に音色生成変化搖動する『弦楽四重奏曲第二番』(1968)≫とタイトルしてその印象寸評を記している。それ以上を付け加える言葉を持ちえていないのだけれど、秀作品であることをいまさら念押しする必要もないだろう。というも、私自身は古典的手法の域にとどまっているといえるだろう『弦楽四重奏曲第一番』(1953)のほうを好みとするのだけれど。
きょう取り上げるドイツグラモフォン・アヴァンギャルドシリーズのこの一枚には≪微細に音色生成変化搖動する『弦楽四重奏曲第二番』(1968)≫がラ・サールクァルテットの演奏で収録されている。たぶんこのレコードを手にしたのは、むしろB面に収録されているアール・ブラウンの「弦楽四重奏曲」を聴きたくてだったと思うのだけれど。このアール・ブラウンの作品のほとんどは不確定要素を組み込んだ作品のはずで、したがって作品どうのこうのはあまり意味をなさない。しかし、この作曲家の作品のパフォーマンスには、はっしとしてメリハリのある、エッジの効いたダイナミックレンジな音響の炸裂、その緊張感が魅力で好きな作曲家のひとりだ。陰影云々する以上にスカッとしてジメジメだらだらしてないのがいい。いわゆる気風がいいのが特長といえるだろうか。もうひとりのWolf Rosenberg(1915-)の作品は手堅くまとめられた作品だ。この人の詳細等は後日補筆追記としよう。時間切れです。

追記―
【Wolf Rosenbergは、どちらかといえば音楽評論やディレクター等で名の通った人物のようだ。しかし、作曲はシュテファン・ヴォルペに師事し、指揮はヘルマン・シェルヘンに学んでいたとのこと。1968年には、米国のイリノイ大学の客員として、米国の電子音楽のメッカでもあったスタジオ(世界で最初にコンピューターを使って作曲したといわれているレジャレン・ヒラーがその創設にたずさわった)にて電子音楽制作に携わり作品も残しているよし。】

Tracklisting:

II. Streichquartett 1967/68.
A1 György Ligeti
1. Satz: Allegro Nervoso (5:10)
A2 György Ligeti
2. Satz: Sostenuto, Molto Calmo (4:55)
A3 György Ligeti
3. Satz: Come Un Meccanismo Di Precisione (3:07)
A4 György Ligeti
4. Satz: Presto Furioso, Brutale, Tumultoso (2:00)
A5 György Ligeti
5. Satz: Allegro Con Delicatezza, Stets Sehr Mild (5:36)
-
B1.Earle Brown
String Quartet (9:58) 1965

B2.Wolf Rosenberg
III.Streichquartett (10:46) 1960/61.



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