yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUMEⅠ』。日本と縁のあるロジャー・レイノルズの作品。センシティブな音色感覚は濃密で緊張感たたえ、陰影をもった響きで魅了する。

イメージ 1

Roger Reynolds: Quick Are the Mouths of Earth (1965)

              

イメージ 2きょうは先日にひきつづき『SPECTRUM : NEW AMERICAN MUSIC, VOLUMEⅠ』。70年前後のアメリカ現代音楽の動向を指し示す企画のもとに出されたとおぼしきシリーズのうちの一枚で、いっとう最初に出されたもの。このアルバムのなかには過日≪日本人におおいにフィットする音色と深い余韻で魅了する、濃密で知性的な響き。武満とゆかりのあるロジャー・レイノルズの「Ping」(1968)と「Traces」(1969)。≫とタイトルして取り上げた、私の好きな作曲家のひとりロジャー・レイノルズRoger Reynolds (1934‐)の作品が収められている。先にもあったように、このレイノルズは日本にも長く滞在し、音楽を含めた前衛芸術ムーヴメントの紹介推進に寄与し、その間、武満徹や、評論家・秋山邦晴ら多くの現代音楽の関係者と親交をもって、日米欧との橋渡しに貢献した作曲家として日本のこうした動向に関心ある人にはつとに知られた作曲家のひとりだ。それに、ジョン・ケージ以降の若き世代が推進したアメリカの前衛音楽(演劇と音楽の融合した、シアターピース)グループ<ONCE>を、いまや大御所となった感のあるロバート・アシュレーらとともにミシガンの地にて起ち上げた創設メンバーの一人でもあった。そうしたこともあって、いささかの興味を惹く作曲家のひとりだった。≪日本人におおいにフィットする音色と深い余韻で魅了する、濃密で知性的な響き。≫まさにこの通りのセンシティブな音色感覚は濃密で緊張感たたえ、陰影をもった響きで魅了するのだ。エリオット・カーターと同じく米国にもこのようなインテリジェントで、落ちゆいたヨーロピアンテイストをもった音響世界をもつ優れた作曲家がいるのだということを言い募って、この稿擱くこととしよう。(もう一人のFredric Myrow(1939‐)は情報不足でまたの機会としたく思う。)




『Spectrum : New American Music, Volume I』

Fredric Myrow 「Songs From The Japanese」(1965)
Roger Reynolds 「 Quick are the Mouths of Earth」(1965)



ロジャー・レイノルズ関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/48756087.html 日本人におおいにフィットする音色と深い余韻で魅了する、濃密で知性的な響き。武満とゆかりのあるロジャー・レイノルズの「Ping」(1968)と「Traces」(1969)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/28296803.html 若き高橋悠治が世界に発信した現代ピアノ作品演奏

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/54126895.html 『MUSIC FROM THE ONCE FESTIVAL1961-1966』(2003)。ケージ以降の若きアメリカ・アヴァンギャルドの貴重なドキュメント。エレクトロニクスによる感性開放の歴史。


http://artofthestates.org/cgi-bin/composer.pl?comp=151 Art of the States: Roger Reynoldsロジャー・レイノルズ作品公開音源サイト


ロバート・アシュレー+ボブ・ジェームス「Untitled Mixes」 (1965)公開音源サイト

http://www.rogerreynolds.com/ ロジャー・レイノルズオフィシャルサイト





Mode 212/213: Roger Reynolds - Complete Piano Works | The Angel of Death