yuki-midorinomoriの日記

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ドイツのジャズ界を引っぱって来たトロンボーンのアルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff。1971年東京でのライヴ録音盤『DIGGIN’』。

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Albert Mangelsdorff - Now Jazz Ramwong

       

アルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff
イメージ 2今日は、ドイツのジャズ界を引っぱって来たトロンボーンアルバート・マンゲルスドルフAlbert Mangelsdorff ( 1928 – 2005)のクァルテットの1971年東京でのライヴ録音盤。今思えば、この頃からジャズはグローバル化が始まったのかとも思う。そう、70年をはさんでのジャズの先鋭化はシンクロしていたといってもいいくらいに、世界同時的な動きだった。もちろんその時代的背景は、このブログでも縷々述べてきた、米・公民権運動に始まりベトナム戦争パリ五月革命、わが国の全共闘運動などを象徴とする世界的な学生運動の昂まりといった社会的背景があげられるだろうか。そうしたこともあってか70年代に入りヨーロッパを舞台にブレイクし活躍することとなる山下洋輔とか佐藤允彦をかの地でプロデュースすることとなるenja(エンヤ)レーベルの創設者・ホルストウェーバーHorst Weberが共同プロデュースとして名を連ねているのが、このアルバム『DIGGIN’』(1971)である。マンゲルスドルフの立ち位置をしめすような、フリーとオーソドキシーを行ったり来たりのよく言えばしなやかなといえようが、ずばり折衷的スタイルのジャズである。年代的にもフリー一辺倒をつらぬくには無理があるドイツジャズの大御所的存在であるけれど、若手のそうしたムーブメントと絶えずコンタクトを取っていたところはたいしたものといえるだろうか。こうした、わが身の信じるスタイルを押し通す気概は、私たちのもっとも欠けるところといえるのかもしれない。技術的には日本のジャズメンたちと較べてもそんなに抜きんでているとは思わないけれど、晦渋にもならず、またアメリカンルーツ・ジャズへ、おもねり媚へつらう安易さに流されることもなく<わが身の信じるスタイルを押し通す気概>を感じさせるアルバムとなっている。