yuki-midorinomoriの日記

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ブラームスの『弦楽四重奏曲全集』CD2枚組み。芳醇かつ滋味。世界は流麗と洗練された弦の響きで彩られる。

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Brahms String Quartet No. 3 in B flat Major (II)

          

イメージ 2さて今日は、≪室内楽曲を多く残したブラームスにしては、弦楽四重奏曲はわずか3曲しか残されていない。≫(WIKIPEDIA)と言われているそのブラームスの『弦楽四重奏曲全集』CD2枚組み。≪弦楽四重奏曲の3曲は地味な感は否めない。それでも有名残された3曲は、室内楽の大家らしくいずれも佳作ぞろいであり、ロマン派弦楽四重奏曲として重要な位置を占めている。≫(同上)とある。確かにこの通りで、≪地味≫であることをあえて否定しようとは思わない。実際今日でもあまり売れないそうである。ところがである、この地味が≪滋味≫なのであるといえる。キーボードで文字変換すれば<地味>と<滋味>がつづいて出てくることを以って安直に言っているわけではない。聴けば聴くほどその思いが募ってくることだろう。ところで一聴、さすが3番は円熟の色艶、ベートーベンどころかバッハかと思わすような崇高な美しさを湛えた第2楽章のアンダンテ。もう、こうした芳醇な色香をもっての洗練された美しい弦の膨らみつつむ旋律を聴くと、哀調の響きがいっそう陰影ともなって魅力を増すというものだ。なんと表情豊かに世界は流麗と洗練された弦の響きで彩られることか。アルバン・ベルク四重奏団による演奏で、先日来のBOOKOFFで購入したもの。すでに廉価・再発版が出ているかもしれないけれど、帯には五千六百円とある。それを千円で手にした。そうしたさもしい購入動機とは関係なく、これからも幾度となく≪滋味≫を味わうべく聴くことだろう。