yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

知と情のバランスとれた上質のフリージャズ。若きアンソニー・ブラックストーンとウィレム・ブロイカーのサックスが秀逸。ギュンター・ハンペルの『the 8th of july 1969』

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(上左)アンソニー・ブラックストーン、(上中)ギュンター・ハンペル、(上右)ウィレム・ブロイカー、(下左)スティーヴ・マッコール、(下中)ジャンヌ・リー、(下右)アリェン・ゴルター

ギュンター・ハンペルGUNTER HAMPELは1937年生まれとあるから今年70歳、古希である。聴き返してみて、これはよかった。手にした当初どのような感想を持ったのだろうか。記憶に残っていないところをみると左程の印象ではなかったようだ。たぶんこの時代、ヨーロッパの極端、激越、アナーキーなドイツ・FMPや、イギリス・INCUS、オランダ・ICPなどの先鋭なフリージャズにのめりこんでいた身には、いささか物足りなかったのかもしれない。しかしこうした知と情のバランスをもってのフリージャズもいいもんだと、聴きなおしてみて思った。上質のフリージャズとひとまず云っておこう。メンバーを見れば錚々たる腕達者たちばかりである。ギュンター・ハンペルGunter Hampel(vibraphone,bassclarinet) アンソニー・ブラックストーンAnthony Braxton(alto,sopranosax,contra bassclarinet) ウィレム・ブロイカーWilliam Breuker(alto,soprano,tenor sax,bass clarinet) スティーヴ・マッコールSteve Mccall(drums) アリェン・ゴルターArjen Gorter(bass,bass guiter) ジャンヌ・リーJeanne Lee(voice)という6人の構成。アルバムタイトルは『the 8th of july 1969』と、収録日をそのままタイトルにしているそうである。このアルバムでの聞きものはアンソニー・ブラックストーンとウィレム・ブロイカーふたりのサックスインタープレイがひじょうな魅力である。それと、ヨーロッパの白人ミュージシャンとアメリカの黒人ミュージシャンの混成でありながら、ヨーロッパフリージャズの先鋭性を失っていない出来上がり、パフォーマンスは特筆すべきことのように思える。再度云っておこう、このアルバムの若きブラックストーンとブロイカーのサックスはまことに秀逸、素晴らしい。