yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

エヴァン・パーカーとパーカッションのポール・リットンとのデュオ『At the Unity Theatre』(1975)。集中凄まじい内的求心の情熱と冷厳の美に息を呑むことだろう。

イメージ 1

Evan Parker and Paul Lytton - I Want!, I Want!

              
              投稿音源のものではありません。

イメージ 2気になりつつも、今まで何とはなしに投稿見送ってきたエヴァン・パーカーEvan Parkerのデュオアルバム。相手はパーカッションのポール・リットンPaul Lytton。というのも、きょう取り上げるデュオ・アルバム『At the Unity Theatre』が1975年のもので、これより前の1972年収録されたデュオ・アルバム『Collective calls {urban) (two microphones)』がイマイチ了解し難くて、先送りになっていたのだった。で、たまたま垢抜けたモダンセンスなジャケットデザインに目がいき、魅かれて手にしたのがこのアルバムだった。針を降ろした途端、内への求心力凄まじい循環奏法でのあの特徴的なインテンシヴなサックスが聴こえてきた。それにパーカッションのポール・リットンもライヴエレクトロニクスの技に磨きがかかり数段の音色の多様性をパーカーッションではじき出しており、見事なデュオ・パフォーマンスが行われているのだった。
で、拙ブログに≪凄絶なレペティションに忘却没我へ登りつめるエヴァン・パーカーのサックスソロ≫とタイトルして投稿済みの、驚異的な、いや神がかり的といってもいいソプイメージ 3ラノサックスソロと同様の印象を強くしたので、念のため、録音データをネットで覗いてみたところ、やはり、1975年の収録とあった。どうりで、の了解だった。この時期たぶんエヴァン・パーカーは次元をひとつ上げたのだ。先の投稿記事で≪パフォーマンスの間のすべてにわたって持続する集中と厳しさは絶するものがある。そこにはメロディーはない、記憶の解消滅却、忘却へとパーカーはサックス携え息絶えなんとまっしぐらである。≫とパーカーの壮絶とも言っていいサックスソロを表した。このデュオ・アルバムもそれに相同の、集中凄まじい内的求心の情熱と冷厳の美に息を呑むことだろう。フリージャズ史に残るすばらしいデュオ・アルバムと括って擱こう。

                 ポール・リットン→


『At the Unity Theatre』(Incus14)
Evan Parker/Paul Lytton DUO

Evan Parker, soprano and tenor saxophones, lyttonophone, pole drum, bullroarer, cassettes of prior performances;
Paul Lytton, percussion and live electronics, voice.

In the midst of laughter and glee (18.04), On reflection (05.24), Mild steel rivets for P.H. (14.42), The Dirlston Dirler (07.23).

Recorded at the Unity Theatre London, 7 January 1975.
Recording by Bob Woolford; production by Derek Bailey.
Cover design (reproduced above) by Graeme Murray.



From the album 'Karyobin'.:The Spontaneous Music Ensemble (SME) Recorded in 1968 Incudes Kenny Wheeler, Evan Parker, Derek Bailey, Dave Holland, and John Stevens.