yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

米国を代表する画家アンドリュー・ワイエス逝去91歳。具象を突き抜け静謐に語りかける画。

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<三日月>(1987)

   「絵画とは構築された道徳に他ならない」(スタンダール

Andrew Wyeth, painter

          

「イギリスの画家ジョン・コンスタブルも語っているように、場面に人生を加える必要はない。何故なら、静かに座ってじっと待っていれば、人生は向こうからやって来るからだ。」
                             (アンドリュー・ワイエス)

先日の新聞の訃報欄(まず最初に目が行く)に、<米国を代表する画家アンドリュー・ワイエス氏が16日夜、ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の自宅で亡くなった。91歳。>なる記事が目にとまった。だいぶ前に≪アンドリュー・ワイエスAndrew Wyeth(1917 - )。具象を突き抜け、ジワリと沁みこむ寂寥感。象徴の世界。≫とタイトルして投稿した。好きな画家のひとりだ。これほど醸す雰囲気をもち、語りかける画も少ない。人気があるのも肯けようというものだ。

「あれ(=モネ)は目の作家だ。私とは違う」

と画家はいったそうだ。見ることの意味合いが違うのだ。それは古典的ですらある。

ワイエスは云う。
「私の作品を身辺の風物を描いた描写主義だという人びとがいる。私はそういう人びとをその作品が描かれた場所へ案内することにしている。すると彼らは決まって失望する。彼らの想像していたような風景はどこにもないからだ。」