yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『声明と雅楽の世界』。「越天楽」だけで雅楽を済ましてしまうには余りにも勿体ない。歴史が鳴っています。自然が息づき吹き遊(スサ)んでいますといったところだろうか。

イメージ 1

雅楽:越天楽 Gagaku:Etenraku

          

声明(しょうみょう)と昨日に引きつづいて雅楽、それも声明付きの雅楽、いうところの舞楽法会(ぶがくほうえ)をも収めた雅楽の紹介アルバム『声明と雅楽の世界』。これも昨日の『陰陽師』と同様に図書館でのネット予約借受のアルバム。≪仏への供養として営まれた≫≪舞楽法会は、千三百年の歴史を持つ世界最古のオーケストラといわれる雅楽舞楽、仏教法会の声明による総合舞台芸術≫であり、こうした声明と雅楽の大法要という大掛かりな協奏は現在では廃絶されて行われなくなっているとのことで、このCDでは≪古い文献資料を手掛かりに復元≫されたと解説・木戸敏郎が記している。ともかく、古き時代の、カミと共にあった≪世界最古≫のオーケストラであり、自然とともに<遊ばした>気(神)韻たっぷりのヘテロフォニックにズレてゆく雅楽の響きは宙なる壮大といえそうだ。「越天楽」だけで雅楽を済ましてしまうには余りにも勿体ない。歴史が鳴っています。自然が息づき吹き遊(スサ)んでいますといったところだろうか。和太鼓と違った趣の雅楽の太鼓。それと笙の持続する響き。すべてが悠揚に流れてゆく。≪雅楽は、西洋の調和の概念からは遠く隔たっている。だが、あの永遠や無限と謂うものを暗示する形而上的な笙の持続――それが人間(人)の呼吸と結びついていることの偉大さ――に対して楔のように打ち込まれる箏や琵琶の乾いた響き――それは笙や篳篥とは全く異なる時間圏を形成する―。そして、管楽器の、殊に篳篥の浮遊するようなメリスマ、それらの総てが醸成する異質性(ヘテロジェニー)は、私たち(人類)にとっては決して古びた問題ではない。≫(武満徹秋庭歌(しゅうていが)一具』より)



『声明と雅楽の世界』

1. 舞楽法会:集会乱声
2. 同:振鉾 第三節
3. 同:春庭楽・唄・散華
4. 同:還城楽・諸天漢語讃
5. 管絃:平調調子
6. 平調 越天楽
7. 皇じょう 急
8. 壱越調音取
9. 蘭陵王



参考お愉しみサイト――
http://www.mikkyo21f.gr.jp/syomyo.html 声明音源サイト
http://www.lastfm.jp/music/Gagaku Gagaku – Last.fm で音楽と出会う、しかも無料!
http://aris.ss.uci.edu/rgarfias/gagaku/music.html The music of Gagaku