yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アート・アンサンブル・オブ・シカゴのスウィングしてるばかりがジャズではない

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             Art Ensemble of Chicago - Old Time Religion
             http://www.youtube.com/watch?v=0rNJwQJKPuQ

私にとってはコルトレーンよりも山下洋輔のほうが、かつまたペーター・ブロッツマンのほうが、黒人系ジャズよりはヨーロッパ系、とりわけドイツ、イギリスのフリージャズのほうが興味を持って聴けました。多分クラシック、現代音楽に感性的な好感を持っていたせいであるかもしれない。オーソドックスなジャズはまことに楽しく聞けるし、耳にすればそれらインプロヴィゼーションの見事さ、秀逸な演奏に聞き入る程には、好きな音楽である。しかし、定型的な見事な演奏ばかりを聞かされると、いささか興がそがれると言う厄介な性格がもたげて来る。とりわけ70年前後の時代背景、その様なトポスを青年として通過した私には、当たり前を当たり前として受容するには捩れ過ぎていたようだ。秩序より解体、混沌、停滞より疾走、有意味、価値より無意味、無価値、ダダへの心弱き讃仰であった。私には、ジョン・ケージはマルセルデュシャンと共に手を携えガラス窓からやって来た。それはおおいに精神の慰撫釈然にはなったものでした。そうであればこそ、根っこを突き崩さない真っ当さがいささか鼻につくのであった。中途半端なとってつけたような新奇さを黒人系フリージャズに感じ遠ざけていた。徹底せよと心に思っていたものです。とは言え、ここに採り上げる<アートアンサンブル・オブ・シカゴ>は唯一感嘆しつつ聞いていた黒人系グループであった。シカゴを拠点にAACM(創造的音楽家の発展ための協会)として商業的なジャズから離れて活動していたグループで、優れた音楽技術、感性を感じさせるグループであった。パーカッションの一音一音に表情がある、勿論他の楽器にもその奏でられる音になんと表現豊かな怒り、哀しみ、ユーモア、遊び心等を感じさせることだろう。ジャズと言うより極めて優れた即興表現音楽と言えよう。<people in sorrow>も良いアルバムですが、何せ一曲の演奏時間が長いので、こちらの採り上げるアルバムの、とりわけ「old time religion」をこのグループへの入場曲としてお薦めします。