yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

英国フリージャズ、AMALGAMの愛と祈りは、人を気高く崇高にさせる

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なぞの死を遂げたあのアルバートアイラーのサックス、ベース、ドラムスによるトリオ演奏「スピリチュアルユニティ」は、フリージャズの成果としてつとに有名であるが、どうもフリージャズは、と常々思われておられる方々には、むしろこのサックス奏者、トレバー・ワッツの<PRAYER FOR PEACE>の演奏のほうを是非聴いていただきたい。印象的な、悲しみに満ちた分かりやすいテーマがまず奏でられ、じょじょに変奏インプロヴァイズされて進行してゆく。とりわけベースとドラムスの絡みがこれまた非常に品よくまとまって感じがいい。サックスとの見事なコラボレーションが気持ちよいほどに展開されている。そこには品性の豊潤さ知性をさえ感じさせる。トレバー・ワッツのサックスは、フリージャズによく聞く濁った且つフリーキーな音が程よく抑制コントロールされ、むしろ美しく端正さをさえ感じさせる。そのせいか美しく品の良いフリージャズが聞けることだろう。けれども実際のところどこまでフリーインプロヴァイズされているのかは分からないけれども、ともかく印象的なテーマ・メロディが様々な形で変奏展開されてゆく見事さ美しさを感じとり、フリージャズへの最良の導きとしていただきたく、ここに採り上げました。タイトルにあるように「祈り」に相応しい精神性の高みをこの演奏に聞かれることとおもいます。アルバート・アイラーよりも、ボサノバに行ってしまった渡辺貞夫よりも、こちらからと、薦めたい一曲です。