yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ジャン・デュビュッフェの<子供>になれない大人たちへのメッセージ

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               Jean Dubuffet - Prospère, prolifère:from "[http://www.avantgardeproject.org/agp74/Dubuffet.pdf Experiences Musicales de Jean Dubuffet]".
               http://www.youtube.com/watch?v=QT7o6nfor4Y

アンフォルメルの画家、ジャン・デュビュフェの自作自演のレコード。ジャケットの絵からわかるように精神を病んだ者、あるいは精神まだ定まらぬ幼児が描いたかのようである。デュビュフェ本人も病んだ人々の絵を共感を持ち「野生美術」と称して蒐集していたそうである。定型を持たず、自由に表現することを実践した芸術潮流に投じたフランスの戦後活躍した画家である。部厚く塗りたくられいびつな対象にデフォルメされた絵画、そのような物から察するに辟易するアクの強さ、我のいびつさを想像するが、まさしくこのレコードに収録されている自作品への主張も、音楽が持つ伝統的規範、定型を否定するものだとして提示している。べつだん音としての物珍しさ、斬新さ、革新というものではない。一潮流を歴史に刻んだ一人の画家の試みとして興味あって聴いてみた。フリージャズ的な印象を強く感じつたものであった。約束事などからの逸脱に精神の何ほどかの伸びやかさ解放を求めれば、ましてやおもむくままの生命の力に賛を置くのであればフリージャズの響きが出てくるのも肯ける。音と遊ぶその試みは、子供性の初源として意義あることだろう。ジョン・ケージいわく《子供のときに子供でいるより、大人になって子供になる方がいい。》けれども音楽家に成るかなれないかは、そこに継続性があるかどうかということだろうか。