歌人、俳人の訃報つづく。
私自身、歌を詠むでもなし、俳句をひねるでもないのだけれど・・・。先日たてつづけに心にあった歌人、俳人の訃報が新聞で届けられた。歌人の河野裕子(かわの ゆうこ、1946年 - 2010年8月12日)。そして俳人の森澄雄。歌人はNHKの短歌の番組で観知って以来、そのセンスは胸にひびくものがあった。この人は天才だ!・・・にちがいない。なぜかそう思った。いま手元に書誌がないので、安直だけれどネットにて目にとまったもの一首。ガン患ってのちの詠める歌。
手をのべてあなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が 捨てばちになりてしまへず 眸(め)のしづかな 耳のよい木がわが庭にあり 河野裕子
もうひとりは俳人の森澄雄。この人は以前(3年前だ)≪「生れて何も知らぬ 吾子の頬に 母よ 絶望の涙をおとすな」の詩人竹内てるよ、と「妻を愛し、子供を愛し、身近な人と愛し合いながら生きていきたい。それを平凡なおのれの生き方の芯としてきた」俳人森澄雄。≫とタイトルしてブログ投稿した。
≪「世の中がどのような激しい戦ひのただなかにあらうとも、たそがれは、すべての母が、心静かに、火を焚く時刻である」≫。
「除 夜 の 妻 白 鳥 の ご と 湯 浴 み を り」
「妻 が ゐ て 夜 長 を 言 へ り そ う 思 ふ」
「な れ ゆ ゑ に こ の 世 よ か り し 盆 の 花」
「臥 し を り て こ こ ろ あ づ く る 鉦 叩」
ご冥福を・・・合掌。