「北斎ブルー」の「プルシアンブルー」で、セシウムの除染除去改良技術を開発。「青」のもたらす落ち着いたこころ静穏な日々の来ることを願いたい。
古来より「青」はヒトのタマシイに憑依する。ココロをとらえる高貴な色として求められた。拙ブログでも4年ほど前≪青色で特許をとり、青色に魅入られ、青で世界を塗りつぶして足早に駆け抜けたイヴ・クラインYves Klein(1928 - 1962)。≫を投稿していた。
ところで、先日新聞社会面記事で≪人工顔料「ホクサイ・ブルー」で土壌セシウム吸着 産総研が新技術開発≫というニュースを目にした。水素爆発を引きがねにした福島原発事故での放射性物質の大量放出。その事故の鎮静後にいたるも、それによる土壌汚染で人体に影響あるとされている放射線量の低減をもって、いまなお避難生活を強いられている被災住民の社会生活、日々の営みを修復すべく、除染の速やかな遂行が切に待たれていると聞き及ぶところだ。で、その折、上記の注目すべき核汚染土壌の除染改良技術の開発ニュース。ネットニュース記事は日々の経過にともないほどなく削除される運命(膨大な情報量ゆえいたしかたない)にあるので、以下コピペさせていただこう。
北斎:凱風快晴(1831年頃作)→
北斎:凱風快晴(1831年頃作)→
【江戸期の浮世絵師、葛飾北斎も使った青色の人工顔料「プルシアンブルー」を吸着剤として使い、土壌の放射性セシウムをほぼ全量を回収できる技術を産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が開発した。放射性廃棄物を150分の1に減量できるといい、東京電力福島第1原発事故の処理に期待される。
プルシアンブルーは粒径10ナノメートル(ナノは10億分の1)以下という微結晶の空孔にセシウムイオンを選択的に吸着する性質があり、内部被曝(ひばく)用薬剤としても承認されている。1704年にドイツで作られた合成顔料で日本へも輸出され北斎が代表作「冨嶽三十六景」で空の色などに使った。
産総研は、汚染土壌を低濃度の酸水溶液で洗う過程でセシウムを酸水溶液に溶かす技術を開発。さらに、セシウムが溶けた酸水溶液を円筒形の装置の中で循環させ、プルシアンブルーに吸着させ回収する技術を組み合わせた。
実験では酸水溶液はセ氏100度でセシウムを約60%抽出できたが、圧力容器でセ氏200度に上げるとほぼ完全にセシウムを抽出できた。水溶液は繰り返し使える。また、プルシアンブルーの量は元の汚染土壌の150分の1となり放射性廃棄物の大幅低減化につながった。】
プルシアンブルーは粒径10ナノメートル(ナノは10億分の1)以下という微結晶の空孔にセシウムイオンを選択的に吸着する性質があり、内部被曝(ひばく)用薬剤としても承認されている。1704年にドイツで作られた合成顔料で日本へも輸出され北斎が代表作「冨嶽三十六景」で空の色などに使った。
産総研は、汚染土壌を低濃度の酸水溶液で洗う過程でセシウムを酸水溶液に溶かす技術を開発。さらに、セシウムが溶けた酸水溶液を円筒形の装置の中で循環させ、プルシアンブルーに吸着させ回収する技術を組み合わせた。
実験では酸水溶液はセ氏100度でセシウムを約60%抽出できたが、圧力容器でセ氏200度に上げるとほぼ完全にセシウムを抽出できた。水溶液は繰り返し使える。また、プルシアンブルーの量は元の汚染土壌の150分の1となり放射性廃棄物の大幅低減化につながった。】
プルシアンブルーで着色した例(WIKI)
あの私たちを魅きつける北斎ブルーとして知られた「プルシアンブルー(プルシャンブルー、英: Prussian blue)」と悩ましい核廃棄物質セシウム(英: caesium)という対比連想に思いが行ったのだった。古来希少な自然物質ラピスラズリ(Lapis-lazuli)(石言葉は「尊厳・崇高」のよし)から採られ使われていた「紺青」が、1704年≪ベルリンにおいて合成顔料のプルシアンブルーが偶然発見され≫て、その希少性を解除され青の表現材料として開放普及した。西洋で化学開発されたその「合成顔料のプルシアンブルー」が江戸時代に西洋絵画とその画法をともなって輸入され、件の北斎ブルーとなって浮世絵に表出され、われわれのココロをとらえたのだった。
ラピス・ラズリの原石(WIKI)→
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2007_01ao.html 特別展 西洋の青-プルシアンブルーをめぐって-
ラピス・ラズリの原石(WIKI)→
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2007_01ao.html 特別展 西洋の青-プルシアンブルーをめぐって-
その「ホクサイ・ブルー」とよばれる「プルシアンブルー」で、ほぼ完璧な土壌汚染を洗い落とし「青」のもたらす落ち着いたこころ静穏な日々の来ることを願いたい。
災禍からの修復に資するこうした改良技術の開発は、「それ見たことか」の原発反対を唱えるのみの口先科学者からは出てこないことだろう。
参考―-
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGLJ_jaJP320JP320&q=katsusika+hokusai Katsushika Hokusai - Homepage. The complete works,
http://en.wikipedia.org/wiki/Thirty-six_Views_of_Mount_Fuji
Thirty-six Views of Mount Fuji (富嶽三十六景 Fugaku Sanjūrokkei?)
Thirty-six Views of Mount Fuji (富嶽三十六景 Fugaku Sanjūrokkei?)
http://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/tokuten/2007_01ao.html 特別展 西洋の青-プルシアンブルーをめぐって-
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&aq=2&oq=%e8%89%b2%e5%90%8d&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4GGLJ_jaJP320JP320&q=%e8%89%b2%e5%90%8d%e8%be%9e%e5%85%b8 日本の伝統色 和色大辞典 - Traditional Japanese Color Names.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%BA%E9%9D%92_(%E8%89%B2) プルシアンブルー(プルシャンブルー、英: Prussian blue)