yuki-midorinomoriの日記

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ブラームス『合唱曲集~愛の歌』。ウ~ン、ブラームス。やはり憂愁、暗い気分の(宗教的な曲趣を持つ)作品がハモっていてよかった。

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J Brahms: '5.秋に IM HERBST' op 104/5 Ensemble Michel PIquemal

                
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     5つの歌 作品104
     ~混声合唱のための

     5.秋に IM HERBST
     クラウス・グロート 詩

     秋は厳粛だ、
     そして木の葉が散る時、
     心もまた暗い悲しみに沈みこむ。
     野原は静まり、
     歌い手たちが声もなく南の国へ旅立ってゆく、
     墓へ旅立ってゆくように。

     昼間は色褪せ、
     青白い霧が
     太陽にも心にもヴェールをかける。
     はやばやと夜がおとずれる、
     なぜならすべての力が働きをやめ、
     存在は深く閉じこもって憩うのだから。

     人間はおだやかになる。
     彼は太陽が沈むのを眺め、
     一年の終りとともに人生の終りを予感する。
     彼の目が濡れる、
     しかしその涙のきらめきの中に
     心の最もしあわせなほとばしりが流れ出る。


     

     5つの歌 作品104
     ~混声合唱のための

全曲:Brahms / Student Madrigal Choir, Münster, 1977: Five Songs for Mixed A Cappella Choir, Op. 104
     http://www.youtube.com/watch?v=S2D-JSvPcmE

     1.夜番I NACHTWACHE I
     フリードリッヒ・リュッケルト 詩

     愛の息吹きに呼びさまされた
     かすかな胸の高鳴りか
     ふるえながらささやきかける、
     お前たちに開かれている耳があるかのように、
     開かれている恋する心があるかのように、
     そしてなにひとつお前たちに開かれていない時、
     夜の風が溜息をつきながら、
     お前たちを私の心に連れ戻す。

     2.夜番II NACHTWACHE II         
     フリードリッヒ・リュッケルト 詩

     みんな安らかに眠っているか?西の方から
     夜番のホルンが呼ぶ、
     すると東の方から、それに答えて
     ホルンが呼ぶ、安らかに眠っているよ!
     聞こえたか、びくびくしている心よ、
     あの天使のささやく声が?
     心やすらかにランプを消し、
     すっぽりと安らぎにくるまるかいい。


     3.最後の幸福 LETZTES GLUCK
     マックス・カルベック 詩

     生気のない木の葉がひとひら、またひとひら
     静かに、しょんぼりと幹をすべり落ちる、
     心は春の夢の中に生きているが、
     その希望はもはや満たされはしない。

     まだ、ひとすじの太陽の光が
     おそ咲きの野ばらのもとに残っている--
     やさしい、希望のないものの、
     最後の幸福のもとに、とでもいった風に。

     4.失われた青春 VERLORNE JUGEND
     ボヘミアの詩から
     自由なドイツ語訳/ヨーゼフ・ヴェンツィヒ

     すべての山々が荒れている、
     いたる所で森がざわめいている-
     私の若かりし日々よ、
     こんなにすばやくどこへ行ってしまったのだ?

     青春は、かけがえのない青春は
     私から消え去ってしまった、
     おお、お前、やさしい青春よ、
     私の心はなんとうかつだったのだろう!

     私は無念にもお前を失ってしまった、
     まるで誰かが
     小石を流れの中に
     投げこむようにして。

     小石は深い流れの中から
     戻ってくることがあるとしても、
     私は知っている、青春が
     同じことをするはずがないことを。


     

2週間ほど前に≪『アダージョ・ア・カペラ~こころのハーモニー』。人間の声が美しくハモると斯くも神々しく崇高な余韻を響かせるのか。魅了の極み。ほんとうに人間の声はかくもうつくしい。≫と投稿したその流れでもあるのだけれど、ネット図書館の検索でブラームスの合唱曲集が所蔵されているのに気付かされた。ブラームスの合唱曲?。けれど、多くの歌曲があるのだから何の不思議もない。ただ歌詞を追ってまで・・・という煩雑を言い訳に耳を塞ぎ遠ざけていたのが実相だ。めんどくさいということだけで町の図書館所蔵の歌曲集も以前借りたはいいけれど、けっきょく聴かずじまいで返却してしまったのだった。大作曲家の合唱曲・・・。ドイツレクイエム Ein Deutsches Requiem op.45という傑作を世に残しているんだから、合唱曲も一度は聴いておかなくては・・・と、鑑賞した。


     昼間は色褪せ、
     青白い霧が
     太陽にも心にもヴェールをかける。
     はやばやと夜がおとずれる、
     なぜならすべての力が働きをやめ、
     存在は深く閉じこもって憩うのだから。

     人間はおだやかになる。
     彼は太陽が沈むのを眺め、
     一年の終りとともに人生の終りを予感する。
     彼の目が濡れる、
     しかしその涙のきらめきの中に
     心の最もしあわせなほとばしりが流れ出る。


ウ~ン、ブラームス。やはり憂愁、暗い気分の(宗教的な曲趣を持つ)作品がハモっていてよかった。「愛の歌-ワルツ」など、その俗っぽさが、なんだかシャンソン(ドイツではなんというのだろう)を聴いているようでわたしにはおもしろくもなかった・・・。







ブラームス『合唱曲集~愛の歌』
BRAHMS: CHORAL WORKS
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー (JOHN ELIOT GARDINER)
演奏:モンテヴェルディ合唱団 (MONTEVERDI CHOIR)


1. 愛の歌-ワルツ 作品52 1.いってくれ、世にも愛らしい少女よ
2. 愛の歌-ワルツ 作品52 2.巌の上を水が流れる
3. 愛の歌-ワルツ 作品52 3.おお、女というものは
4. 愛の歌-ワルツ 作品52 4.夕べの美しいくれないのように
5. 愛の歌-ワルツ 作品52 5.緑のホップのつるが
6. 愛の歌-ワルツ 作品52 6.一羽の小さな、かわいい小鳥が
7. 愛の歌-ワルツ 作品52 7.私のいのち、私の愛するひとと
8. 愛の歌-ワルツ 作品52 8.お前の瞳がそんなにやさしく
9. 愛の歌-ワルツ 作品52 9.ドナウの岸辺に
10. 愛の歌-ワルツ 作品52 10.おお、なんとおだやかに
11. 愛の歌-ワルツ 作品52 11.いいや、ぼくは世間の奴らと
12. 愛の歌-ワルツ 作品52 12.錠前屋よ、起きろ!
13. 愛の歌-ワルツ 作品52 13.小鳥が大気をそよがせて飛ぶ
14. 愛の歌-ワルツ 作品52 14.ごらん、波がなんと明るいことか
15. 愛の歌-ワルツ 作品52 15.夜鶯があんなに美しく歌っている
16. 愛の歌-ワルツ 作品52 16.恋は真暗な、深い穴だ
17. 愛の歌-ワルツ 作品52 17.歩きまわるんじゃない
18. 愛の歌-ワルツ 作品52 18.繁みがふるえている
19. 4つの歌 作品17(女声合唱と2つのホルン、ハープのための) 1.高らかにハープの音がひびく
20. 4つの歌 作品17(女声合唱と2つのホルン、ハープのための) 2.シェークスピアの詩による歌
21. 4つの歌 作品17(女声合唱と2つのホルン、ハープのための) 3.花作り
22. 4つの歌 作品17(女声合唱と2つのホルン、ハープのための) 4.オシアンの『フィンガル』からの歌
23. 3つの歌 作品42(6部の歌声のための) 1.セレナーデ
24. 3つの歌 作品42(6部の歌声のための) 2.ヴィネータ
25. 3つの歌 作品42(6部の歌声のための) 3.ダルスーラの葬送の歌
26. 4つの四重唱曲 作品92(4部の歌声とピアノのための) 1.おお、美しい夜よ
27. 4つの四重唱曲 作品92(4部の歌声とピアノのための) 2.晩秋
28. 4つの四重唱曲 作品92(4部の歌声とピアノのための) 3.夕べの歌
29. 4つの四重唱曲 作品92(4部の歌声とピアノのための) 4.なぜ?
30. 5つの歌 作品104(混声合唱のための) 1.夜番I
31. 5つの歌 作品104(混声合唱のための) 2.夜番II
32. 5つの歌 作品104(混声合唱のための) 3.最後の幸福
33. 5つの歌 作品104(混声合唱のための) 4.失われた青春
34. 5つの歌 作品104(混声合唱のための) 5.秋に




Brahms - Abendständchen (UniversitätsChor München)



3つの歌作品42
~6部の歌声のための

1.セレナーデ ABENDSTANDCHEN
クレーメンス・フォン・ブレンターノ 詩

お聞き、もの悲しい笛の音が再び響き、
つめたい泉がせせらぎの音をたてる、
こがね色の楽の音かただよい下ってくる、
静かに、静かに、私たちはそれに聞き入ろう!

やさしい願望が、おだやかなあこがれが
なんと甘美に心に語りかけることだろう!
私をとり巻いている夜を通して
楽の音の光が私にさしこむ。