yuki-midorinomoriの日記

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ハイドン『オラトリオ「四季」(全曲)』(CD2枚組)。自然と勤労、希望に満ちた人生賛歌、教訓的、現世的といっていいのだろうか。道徳的生きざまの礼賛。まじめでゴザイマスデス。

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Joseph Haydn Die Jahreszeiten Frühling Terzett und Chor "O wie lieblich ist der Anblick":Nikolaus Harnoncourt、Concentus Musicus Wien

               

きのうに引きつづき、きょうもハイドン。けれどここ最近折々聴き続けている交響曲ではなく、晩年の大作の≪オラトリオ『四季(Die Jahreszeiten)Hob.XXI-3』≫。神とともにある人生の春夏秋冬を謳いあげたものといえばいいのだろうか。
晩年の大作といえば、もうひとつ、前作になる『天地創造(てんちそうぞう、Die Schöpfung )Hob.XXI-2』があるけれど、それをネット図書館で借り受けたはいいけれど、音盤のみで、紛失ゆえの解説書なし。梗概も分からず、歌詞内容もとなるとちょいと苦しい。ということで、即返却して、代わりにこの「四季」を借りて鑑賞した。題材が題材なので、崇高深遠さとか宗教的情趣というより、自然と勤労、希望に満ちた人生賛歌、教訓的、現世的といっていいのだろうか。道徳的生きざまの謳歌礼賛。まじめでゴザイマスデス。




XIII. Haydn: Die Jahreszeiten | Handel and Haydn Society of Boston:Conducted by Roger Norrington


これを見るがよい、惑わされた人間よ、
おまえの人生の姿を見るがよい。
おまえの短い春はしぼみ、
おまえの夏の力も失われてしまった。
おまえの秋もすでに枯れて年老い、
いまや灰色の冬が近づいて、
開かれた墓をおまえに指し示している。
高貴な見取図は、いまどこにあるのか、
幸福への希望、
むなしい栄光の探究、
いたましい心労の苦しみはどうしたのか?
ぜいたく三昧の喜びの日々は、
いまどこへ行ったのか?
夜もすがら酔い心地ですごした、
喜びの夜は、いまどこか?
それらは、まるで夢のように消え失せてしまった。
ただ美徳だけが残っているだけだ。
ひとりとどまる美徳は、
年月のうつりにも、
苦しみや喜びにもかわらず、
至高の目標にまで
私たちを導いてくれる。

それから、大いなる朝がやってきた。
全能なるおかたの二番目の言葉が、
苦痛と死とから、永久に解放して、
新しい生活を私たちに呼びさましてくださった。

天の門がひらき、
聖なる山が姿を現した。
その頂には、神の宮居が聳え、
そこでは憩いと平和が座を占めている。

誰が、この門を入ってゆくことができるのか?
悪意をもった者は遠ざけられ、善意の者が入る。
誰が、この山を登ってゆくことができるのか?
その口に真実を語る者が。
誰が、この宮居に住むことができるのか?
貧しい人や困っている人を助けた者が。
誰が、そこで平和を楽しむことができるのか?
潔白な人に保護と正義をあたえた人が。
おお、ごらん、大いなる朝がやって<る。
おお、ごらん、もう明るくなった。

天の門がひらき、
聖なる山が姿を現した。
もう過ぎ去った、
もう収まった、
苦しみにみちた日々は、
冬の嵐の人生は。
末永い春が支配し、
かぎりない至福が、
天の門がひらき
正しい報酬として贈られる。

私たちのうえにも、いつかそういった報酬が贈られるように!
みんなで努力しよう!かちとろう!
かちとろう、
待ちこがれよう、

このほうびを手に入れるために。
私たちを御手によってお導きください。おお、神よ!
私たちに、力と勇気をお与えください。
そして私たちは歌います、そして私たちは入ってゆきます。
あなたの栄光の国へ。
アーメン!





ハイドン『オラトリオ「四季」(全曲)』
HAYDN: DIE JAHRESZEITEN
アーノルト・シェーンベルク合唱団 (ARNOLD SCHOENBERG CHOIR)
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス (CONCENTUS MUSICUS WIEN)

1.フランツ・ヨーゼフ・ハイドン:オラトリオ「四季」Hob.21-3 第1曲 序奏と「見よ,きびしい冬も」(第1部 春)(全曲)
DIE JAHRESZEITEN NR.1 EINLEITUNG UND "SEHT, WIE DER STRENGE WINTER FLIEHT"
2.第2曲 「来い,のどかな春よ」
NR.2 "KOMM, HOLDER LENZ"
3.第3曲 「天の牡羊座から,いま」
NR.3 "VOM WIDDER STRAHLET JETZT"
4.第4曲 「農夫はいま,喜びいさんで」
NR.4 "SCHON EILET FROH DER ACKERMANN"
5.第5曲 「農夫はいま,骨おしみせず」
NR.5 "DER LANDMANN HAT SEIN WERK VOLLBRACHT"
6.第6曲 祈願の歌「慈悲ぶかい天よ,恵みをあたえてください」
NR.6 BITTGESANG "SEI NUN GNADIG, MILDER HIMMEL"
7.第7曲 「私たちの願いは聴きとどけられました」
NR.7 "ERHORT IST UNSER FLEHN"
8.第8曲 喜びの歌「おお,いまや,なんとすばらしい広野の景色でしょう」
NR.8 FREUDENLIED "O WIE LIEBLICH IST DER ANBLICK"
9.第9曲 序奏と「灰色のヴェールにつつまれて」(第2部 夏)(全曲)
NR.9 EINLEITUNG UND "IN GRAUEM SCHLEIER RUCKT HERAN"
10.第10曲 「眠りをさました羊飼いは,いま」~「朝やけが訪れて」
NR.10 "DER MUNT'RE HIRT VERSAMMELT NUN" - "DIE MORGENROTE BRICHT HERVOR"
11.第11曲 「太陽が昇る」
NR.11 "SIE STEIGT HERAUF, DIE SONNE"
12.第12曲 「いま,まわりのすべてのものが活動をはじめ」
NR.12 "NUN REGT UND BEWEGT SICH ALLES UMHER"
13.第13曲 「自然は,重圧にあえいでいる」
NR.13 "DEM DRUCK ERLIEGET DIE NATUR"
14.第14曲 「さあ,暗い森に来ました」
NR.14 "WILLKOMMEN JETZT, O DUNKLER HAIN"
15.第15曲 「なんという爽やかな感じでしょう」
NR.15 "WELCHE LABUNG FUR DIE SINNE"
16.第16曲 「おお,見よ!むし暑い空気のなかで」
NR.16 "O SEHT! ES STEIGET IN DER SCHWULEN LUFT"
17.第17曲 「ああ,嵐が近づいた!」
NR.17 "ACH! DAS UNGEWITTER NAHT"
18.第18曲 「黒い雲は切れ」
NR.18 "DIE DUSTREN WOLKEN TRENNEN SICH"

DISC2
1.第19曲 序奏と「はじめ,春が」(第3部 秋)(全曲)
NR.19 EINLEITUGN UND "WAS DURCH SEINE BLUTE"
2.第20曲 「こんなに自然は,勤労に報いてくれた」
DINR.20 "SO LOHNET DIE NATUR DEN FLEs"
3.第21曲 「ごらんなさい,あそこのはしばみのしげみのほうへ」
DIE JAHRESZEITEN NR.21 "SEHT, WIE ZUM HASELBUSCHE DORT"
4.第22曲 「町から来た美しい人,こちらへおいで」
NR.22 "IHR SCHONEN AUS DER STADT, KOMMT HER"
5.第23曲 「いま,裸にむかれた畑に」
DIE JAHRESZEITEN NR.23 "NUN ZEIGET DAS ENTLOsTE FELD"
6.第24曲 「広い草原を見わたしてごらん!」
NR.24 "SEHT AUF DIE BREITEN WIESEN HIN"
7.第25曲 「ここで,野うさぎをねぐらから」
NR.25 "HIER TREIBT EIN DICHTER KREIS"
8.第26曲 「聞け,この大きなざわめきを」
NR.26 "HORT! HORT! DAS LAUTE GETON"
9.第27曲 「ぶどうの樹には,いま」
NR.27 "AM REBENSTOCKE BLINKET JETZT"
10.第28曲 「ばんざい,ばんざい,ぶどう酒だ」
NR.28 "JUHE! JUHE! DER WEIN IST DA"
11.第29曲 序奏と「いま,色あせた年が沈み」(第4部 冬)(全曲)
NR.29 EINLEITUNG UND "NUN SENKET SICH DAS BLASSE JAHR"
12.第30曲 「光と命は衰え」
NR.30 "LICHT UND LEBEN SIND GESCHWACHET"
13.第31曲 「広い湖も凍りつき」
NR.31 "GEFESSELT STEHT DER BREITE SEE"
14.第32曲 「旅人がいまここで」
NR.32 "HIER STEHT DER WAND'RER NUN"
15.第33曲 「そこで旅人が近づいてみると」
NR.33 "SO WIE ER NAHT"
16.第34曲 「くるくるまわれ,まわれ糸車!」
NR.34 "KNURRE, SCHNURRE, KNURRE"
17.第35曲 「亜麻布を紡ぎおわって」
NR.35 "ABGESPONNEN IST DER FLACHS"
18.第36曲 「あるとき,名誉を重んずる娘が」
19.第37曲 「乾燥した東のほうから」
NR.37 "VOM DURREN OSTE DRINGT"
20.第38曲 「これを見るがよい,惑わされた人間よ」
NR.38 "ERBLICKE HIER, BETORTER MENSCH"
21.第39曲 「それから,大いなる朝がやってきた」
NR.39 "DANN BRICHT DER GROsE MORGEN AN"