サン=サーンス「クラリネット・ソナタ 変ホ長調 作品167」。染み入る簡潔澄明な響き。
作曲家の死の年に書かれたからというのではないが、その過剰を避けた簡潔澄明な響きは染み入るものがあった。車中ラジオから流れていて印象した作品、サン=サーンス(1835-1921)の『クラリネットソナタ(Sonate pour clarinette et piano)変ホ長調 作品167』。
86年の長きの人生、そのわずかに残された日々への哀愁黄昏の先駆的覚悟のうちに在ることの陰影を感じ取る…というのも、単なる短絡的なロマンな意味づけでしかないのかもしれないが。
けれど、いい曲だ。