yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

歓呼の嵐に世界へと大きく羽ばたく山下洋輔プロトジャズ

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               Yosuke Yamashita Trio Chiasma Full Album
               http://www.youtube.com/watch?v=WC4fd57q3bY
               投稿音源ではありません。

このアルバム『CLAY』では世界に飛躍した山下洋輔ここに在りと言うところだろうか、1974年6月ドイツのニュージャズフェスティバルでの野外コンサート録音である。このときサックスはすでに中村誠一から坂田明にメンバーチェンジしている。このアルバムにはその時の「ミナのセカンドテーマ」と「クレイ」の2曲が収められている。森山威男のドラムスと山下洋輔のピアノバトルが森山の雄叫びを伴い壮絶なまでに圧倒的に爆発する。もちろん観衆から大きな歓声を呼び込んだのはもちろんである。トリオの3人すべてがスポーツ刈りという、夜の演奏移動の車中、検問で工事従事者と見間違われたというエピソードは有名であるように野性味を感じさせるスタイルも当時異例であったのではないだろうか。音大出二人に広島大水産出というのも面白い組み合わせであった。前メンバーの中村誠一とは違って幾分フリーキーでエキセントリックさもった坂田明のサックスがより一層インタープレイに起伏ある変化をもたらしている。最初の30分弱にも及ぶ「ミナのセカンドテーマ」演奏への最大級の賞賛の歓呼が山下洋輔トリオに嵐と浴びせられたのがそのインパクトの確かさを示すものといえよう。2曲目の収録曲「クレイ」に入ると森山威男の圧倒するドラムスの威力と山下洋輔の叩きつけるクラスタークラッシュのピアノの波状攻撃に煽り立てられるように加速する坂田明のサックスもフリーキーに冴えにさえ渡る。トリオの壮絶なバトルのコラボレイションが怒涛雪崩をうってパワー消尽しつくしての終局は、爆発する歓呼の賞賛の嵐となって野外コンサート場をつつんだのは言うまでもない。プロトジャズが歓喜の声と共に世界へ大きく舞い上がり羽ばたく旅立ちの時であった。