yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

コレクティヴなインプロヴィゼーションたぎる70年の高揚、オランダICP006『GROUPCOMPOSING』(1970)。

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現代音楽、フリージャズ、アヴァンギャルドとこのブログにうたっていながら、アヴァンギャルドはともかく、最近はフリージャズからちょっとご無沙汰ということもあり、今回はヨーロッパフリージャズ。いずれにせよごく少数のファンしか見受けられぬ分野であることには変わりはないのだけれど。若き日々、短期間とはいえ蒐集、鑑賞にのめりこんだ心のありどころを回顧することを意図してのマイブログである。60年代後半の政治の季節。さまざまな領域でのヴィヴィッドな動きの事どもは、ヨーロッパフリージャズに事寄せてすでに幾分かは最初期のブログ記事で、拙くとはいえ開陳していることもあり、付加追記等は、またいつの日にか機会を得てテンションあがったときにするとしよう。今回のアルバムはICP(インスタント・コンポーザーズ・プールInstant Composers Pool)<オランダを活動の拠点とするフリージャズミュージシャンのための組織>から出された『GROUPCOMPOSING』(ICP006)(1970)。はや35年も前のインプロヴィゼーションと思えぬ、というより逆に言えばフリージャズはほとんど変化がなかったといえるのかもしれない。フリーをやりつくしたといって設立者の一人、ウィレム・ブロイカーが73年に抜けっていったように、フリーフォームに立ちつづけるのは、どこか尋常でないところがあるのかもしれない。そこがまた聴き手にとっても堪らなく虜にするところでもあるのだけれど。コレクティヴなインプロヴィゼーションが創り出すパッショネイトにたぎりのぼりつめていく快感高揚は、やはりフリージャズならではである。ノスタルジーで取り上げているのでは決してない。たぶん今はじめて聴いても、また30数年ぶりに聴き返しても同様の印象、感動を聴くことだろう。この年代、イギリス、ドイツ、オランダ等は群を抜いたフリージャズの実験場であった。そうした時代の記録としても貴重である。ミシャ・メンゲルベルグMisha Mengelberg(p)、ペーター・ブロッツマンPeter Brotzmann(ts)、エヴァン・パーカーEvan Parker(ts/ss)、ポール・ラザフォードPaul Rutherford(trb)、ペーター・ベニングPeter Bennink(as/bagpipes)、ハン・ベニンクHan Bennink(prc/oe-oe/gachi)。まさにドイツ、イギリス、オランダの競演である。アルバムデザインはパーカッションのハンベニンクのもの。