マニエリスティックな色めく壮大華麗な≪音画≫であり音楽。シルヴァーノ・ブッソッティ(1931‐)『ベルククリスタル(水晶)BERGKRISTALL』(1973)と『ロレンザッチョ交響曲』
ルイジ・ノーノLuigi Nono やルチアーノ・ベリオLuciano Berio に次ぐイタリアの異色マルチタレントの現代作曲家。
≪シルヴァーノ・ブッソッティ(Sylvano Bussotti、1931年 - 、ブソッティ、又はブゾッティと表記される場合もある)は、イタリアの作曲家、ピアニスト、画家、デザイナー、作家、詩人、映画監督、俳優、イラストレーター、舞台監督、振付師、演出家。≫(WIKIPEDIA)とある。
60年のISCM・国際現代音楽協会などの入賞後、ロックフェラー財団の招きで渡米留学、ジョン・ケージなどの先鋭な革新的動きにも、途上、かの地で影響を受けている。セリー無調から出発し、のち変遷、絵画的色彩感の横溢する、一言で云って作風は<マニエリスム>である。レコード解説者がこうした作風を評して≪音画≫といっているのも肯ける。
≪マニエリスム【(フランス)manierisme】ルネサンスからバロックへの移行期に興った、絵画を中心とする芸術様式。社会的な混乱による精神的危機を反映し、錯綜(さくそう)した空間構成、非現実的な色彩法、幻想的寓意(ぐうい)性など、極度の技巧性・作為性を特色とする。ポントルモ・ティントレット・エル=グレコなどが代表的画家。マニエリズモ。≫(ネット辞書より)。
見事なまでのそのオーケストレーションのスケールは絢爛である。ゾクゾクさせるほどに色香充満し、そのマニエリスムの色っぽい熱さにいささかの惧れなしとしない。
≪アダルベルト・シュティフターの物語に基づく台本による≫バレーのための大オーケストラ音楽作品『ベルククリスタル(水晶)BERGKRISTALL』(1973)と『ロレンザッチョ交響曲』これは≪フランスの詩人劇作家A・ミュッセ(1810‐57)に基づく舞台作品・・・・から抜粋し、独自の作品として再構成された作品≫(解説・庄野進)。ということである。
これら作品に共通するのは≪前衛音楽に特有な緊張した対比によって、より劇的な圧迫するような感じが表現されている。しかも振幅激しく、線的に捉えがたい不安定な音形象は、締め付けるような不安、形なきものとの遭遇を効果的に表現している。≫(同上)まことに的確、これ以上言うことないプロの印象評なのだけれど。
このような緊迫したドラマチックな展開が色めくマニエラで染め上げられてゆくそのさまは、まさにルネッサンスの全人的多能多才の芸術家を髣髴とさせるものがある。
ところで、トータルセリエストであったブッソッティが、こうした色めくマニエリスティックな音楽美≪音画≫、にいたるには、既にしてその萌芽がみられた。
≪セリーの扱いに関して二つの点で独自性を創りだした。一つは、――彼自身の絵画的素質によると思われるが――音色の次元を重視している点である。それは彼が単に、一つの楽器のさまざまな奏法という意味でだけではなく、楽器群の組み合わせや、それから生じるテクスチュアという意味での音色の微妙な差異を表現手段としているということでもある。もう一つの特徴は、予め決定された図式に従うのではなく、断片的な部分を変奏的に集積して、より大きい形式を得るという点である≫。(同上)というように、初期の無調点描的作品に異彩をもって放たれていた。
まさに≪絵画的、文学的、ドラマティック≫でマニエリスティックな色めく壮大華麗な≪音画≫であり音楽であると括れるだろうか。
≪シルヴァーノ・ブッソッティ(Sylvano Bussotti、1931年 - 、ブソッティ、又はブゾッティと表記される場合もある)は、イタリアの作曲家、ピアニスト、画家、デザイナー、作家、詩人、映画監督、俳優、イラストレーター、舞台監督、振付師、演出家。≫(WIKIPEDIA)とある。
60年のISCM・国際現代音楽協会などの入賞後、ロックフェラー財団の招きで渡米留学、ジョン・ケージなどの先鋭な革新的動きにも、途上、かの地で影響を受けている。セリー無調から出発し、のち変遷、絵画的色彩感の横溢する、一言で云って作風は<マニエリスム>である。レコード解説者がこうした作風を評して≪音画≫といっているのも肯ける。
≪マニエリスム【(フランス)manierisme】ルネサンスからバロックへの移行期に興った、絵画を中心とする芸術様式。社会的な混乱による精神的危機を反映し、錯綜(さくそう)した空間構成、非現実的な色彩法、幻想的寓意(ぐうい)性など、極度の技巧性・作為性を特色とする。ポントルモ・ティントレット・エル=グレコなどが代表的画家。マニエリズモ。≫(ネット辞書より)。
見事なまでのそのオーケストレーションのスケールは絢爛である。ゾクゾクさせるほどに色香充満し、そのマニエリスムの色っぽい熱さにいささかの惧れなしとしない。
≪アダルベルト・シュティフターの物語に基づく台本による≫バレーのための大オーケストラ音楽作品『ベルククリスタル(水晶)BERGKRISTALL』(1973)と『ロレンザッチョ交響曲』これは≪フランスの詩人劇作家A・ミュッセ(1810‐57)に基づく舞台作品・・・・から抜粋し、独自の作品として再構成された作品≫(解説・庄野進)。ということである。
これら作品に共通するのは≪前衛音楽に特有な緊張した対比によって、より劇的な圧迫するような感じが表現されている。しかも振幅激しく、線的に捉えがたい不安定な音形象は、締め付けるような不安、形なきものとの遭遇を効果的に表現している。≫(同上)まことに的確、これ以上言うことないプロの印象評なのだけれど。
このような緊迫したドラマチックな展開が色めくマニエラで染め上げられてゆくそのさまは、まさにルネッサンスの全人的多能多才の芸術家を髣髴とさせるものがある。
ところで、トータルセリエストであったブッソッティが、こうした色めくマニエリスティックな音楽美≪音画≫、にいたるには、既にしてその萌芽がみられた。
≪セリーの扱いに関して二つの点で独自性を創りだした。一つは、――彼自身の絵画的素質によると思われるが――音色の次元を重視している点である。それは彼が単に、一つの楽器のさまざまな奏法という意味でだけではなく、楽器群の組み合わせや、それから生じるテクスチュアという意味での音色の微妙な差異を表現手段としているということでもある。もう一つの特徴は、予め決定された図式に従うのではなく、断片的な部分を変奏的に集積して、より大きい形式を得るという点である≫。(同上)というように、初期の無調点描的作品に異彩をもって放たれていた。
まさに≪絵画的、文学的、ドラマティック≫でマニエリスティックな色めく壮大華麗な≪音画≫であり音楽であると括れるだろうか。
シルヴァーノ・ブッソッティ(Sylvano Bussotti、1931年 - 、ブソッティ、又はブゾッティと表記される場合もある)は、イタリアの作曲家、ピアニスト、画家、デザイナー、作家、詩人、映画監督、俳優、イラストレーター、舞台監督、振付師、演出家。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3
マニエリスム (Mannierism)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%A0
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%A0
ルイジ・ノーノ(Luigi Nono, 1924 - 1990)はイタリアの作曲家。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%8E
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%82%A4%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%8E
ルチアーノ・ベリオ(Luciano Berio, 1925 - 2003)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%AA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%AA
Sylvano Bussotti: The Rara Requiem (1969)