yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

秀逸なジャケットを眺めてアルトサックスソロを聴く。アンソニーブラックストンの『FOR alto』(1968)。

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Anthony Braxton - To Composer John Cage :For Alto (1969)

            

アンソニーブラックストンAnthony Braxton
イメージ 2今日は、ジャケットで聴くジャズ。渋い、いかにもジャズ!?といった風情のジャケットに魅かれてのピックアップ。シカゴを拠点とする、商業主義から距離をとって独自の(前衛)ジャズを展開していたAACMに籍をおき、フリージャズと現代音楽に軸足を置いて活動していたアンソニーブラックストンAnthony Braxtonのサックスソロ2枚組みアルバム『FOR alto』(1968)。このアルバムおよびブラックストンに関してのことは、マイブログでよく世話になっている次の面白くて且つ優れたネットページ氏の記事を御読みいただきたい。たしかに、献呈者にジョン・ケージの名が出てきたり、図形楽譜らしきものが出てきたりで、思わせぶりなことこの上なく胡散臭さがないでもないのだけれど、はたしてどれほどの革新的コンセプトの実践なのか正直分からない。ヨーロッパでのドイツ・FMPやオランダ・ICP、それにイギリスのINCUSらのフリージャズメンとの多くのセッション、インタープレイを聴いたりはしていても、彼らほどのアナーキーな破壊性は感じられず、やはりアメリカジャズのブルースに根ざす伝統を突き崩すまでにはいたっていないとの印象が抜け切れなかった。しかし<数寄>であることは確かなことで、パッショネートなサックスソロとさまざまな意匠へのアタックに耳そばだてさせ、時間はあっという間にすぎてゆくことだろう。以下、収録曲タイトルを記すこととする。そこに出てくる名前をみただけでもおおよその志向、傾向性が分かるというものである。CDはいざしらず、この30センチ四方のモノクロのLPジャケットデザインは秀逸だ。まさに、このジャケットは音を感じさせる。眺めているだけでインテリジェントで熱のあるサックスが聞こえてきそうだ。



<収録曲>
1.Dedicated to Multi-Instrumentalist Jack Gell
2. To Composer John Cage
3. To Artist Murray de Pillars
4. To Pianist Cecil Taylor
5. Dedicated to Ann and Peter Allen
6. Dedicated to Susan Axelrod
7. To My Friend Kenny McKenny
8. Dedicated to Multi-Instrumentalist Leroy Jenkins



Anthony Braxton - Impressions