yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

奈良・松伯美術館『山本丘人展』。静謐の気韻、余韻漂う幻想的なロマンティシズム。

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イメージ 2連休の2日目は予報どうり雨には違いなかったけれど、昼前には止んで何を思ったか突然近場の松伯美術館へと足を運んだ。若い時ならいざ知らず、元来が出不精で時間をかけてまで美術館へと出向くほどまめでない。ダラダラと家や近辺で時間をつぶすのが休暇明けの仕事のこと思えば疲れを残さない最良の過ごし方だと思っている。(斯く言うも、別に仕事を趣味としているわけではない。でなければこのようなブログを綴るのに暇な時間を費やしはしない。その間に仕事をしていることだろう。)ネットを覗いたところ≪特別展 創画会イメージ 360年記念「山本丘人展」――松篁の盟友 丘人の画業を成川美術館所蔵品でたどる――≫とあったので、山本丘人(1900-1986)なら観に行ってもいいかと、近くなのに未だ行ったことがないという連れ合いに声をかけ共に出かけた。(近くで便利がいいのだけれど入館料が高い?のが難点)松伯美術館のことどもは以前拙ブログに投稿したので割愛させていただこう。以前テレビで、山本丘人のドキュメンタリーが放映されていたのだけれど詳細は忘れてしまっているが、おぼつかない足を運びながらも対象(風景)を凝視するその姿に、あたりまえで、月並みだけれど、画家は見る、とことん見続けるものなのだなと印象した。その画家の作品を目の当たりにして、なるほど画集で見るのとは、その気韻の深さと奥行きと重量がおのずと違うのだった。距離と言うものが作品にとっては重要な要素なのだろうか。静謐の精神世界、そして余韻漂うイメージ 4幻想的なロマンティシズム。そうしたものが巧みなマチエールでの光のとり込みでそこはかとない<気>が漂っているのだ。雄渾とも見える太く縁どりされた山河の質感などにも、圧倒的な存在感と静謐の気が漂ってくるような、幻想と現実がいりまじった不思議な印象を喚起する。幻想的ともいえる風景が仄かなあるかなきかの光と共に奥行きと深さをもって静謐と気韻が広がりゆく。しかしその風景は確かに其処にそうして在るのだ。


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