yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

松林桂月「春宵花影」。息を呑む朦朧、幽玄なる風韻。

「春宵花影」(1939)
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    画は、何にも教えはしない、
    画から何かを教わる人もない。
    画は見る人の前に現存していれば足りるのだ。
    美は人を沈黙させます。
    どんな芸術も、その創りだした
    一種の感動に充ちた沈黙によって生き永らえて来た。
    どの様に解釈してみても、
    遂に口を噤むより外はない或るものにぶつかる、・・・・

                小林秀雄「私の人生観」




イメージ 2絵に感動をおぼえる。そうした絵の数々をあげればきりがない。その中でも、今日貼り付けた絵には、まさに、息を呑むといった表現にピッタシの驚きに似た感動をもった絵だった。大判でボリュームありすぎて、とてもじゃないが図書貸し出しで持って帰れるような日本画集ではなく、館内で鑑賞したのだった。もうまさに日本!?というような気韻であった。この朦朧、幽玄なる風韻、もう一世一代畢生の作とでも呟きたくなるほどだった。果たしてそうなのかどうかは、私は知らないが。おまけに私は複製画、つまりは本で鑑賞するのが関の山の愛好家にすぎない。いろいろ言い分あるだろうけれど、私自身は原画鑑賞が唯一だとは思わない者である。それで良しとしている。ここでは、これ以上は言わないでおこう。さて松林桂月まつばやし けいげつ、1876 - 1963)の「春宵花影」。どんなものだろう。