yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

「見よ、世界は呪われていない」(Albert Anker)スイスの国民的人気の画家・アルベール・アンカー。嫌になるほど騒々しい時代、年を重ねるとはどういうことなのだろう?しっかりと<今>を見ているか?

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今日に限らずだけれど疲れております。ということで音楽ブログは休みにして、新聞の小さな催し案内の記事を目にするまでまったく知らなかった、というより、知らないことのほうが多いのだけれど。なんでもスイスの国民的人気の画家とのこと。その画家とはアルベール・アンカーAlbert Anker(1831-1910)のよし。それにその画とは何の関係もないのだけれど、ヘルマン・ヘッセの詩(この詩は2回ほどブログ記事に載せた)「幼い子供の死に寄せて」を添えて、きょうは草々に擱えることにしよう。嫌になるほど騒々しい時代、年を重ねるとはどういうことなのだろう?新潮文庫の「ヘッセ詩集」高橋 健二(1902 - 1998)訳よりはるかに詩的にこなれて(私はドイツ語はわかりませんが・・・)いい訳と思われるものがネットで鑑賞できたので、それを引用させていただく。

      「幼い子供の死に寄せて」

      子供よ、おまえはもう逝ってしまった
      そして少しの人生も知りはしなかった
      それなのに我々老いた者たちは
      なおも衰弱した歳月を生きている

      ひとつの呼吸、ひとつのまばたき
      そうして地上の空気と光を味わい
      それでおまえには充分であり、充分すぎたのだ
      おまえは眠りに沈み、もう目覚めはしない

      おそらくはその呼吸とまばたきのうちに
      おまえには見えてしまったのだろう
      人生のあらゆる戯れとあらゆる姿が――
      おまえは驚いて戻ってしまった

      子供よ、やがて我々の目が閉じられるとき
      おそらく、我々は思うことだろう
      子供よ、この世について我々の目は
      おまえの目ほど多くを見はしなかったのだと

       (島途健一 訳 )