yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

デンマークの画家・ヴィルヘルム・ハンマースホイ(1864 – 1916)。哀しいまでの沈黙と静謐。

背を向けた若い女性のいる室内 Interior. Young Woman seen from Behind, 1903-04
イメージ 1


Vilhelm Hammershøi:Music by Thomas Newman

               

イメージ 2今日、一日遅れだけれど購読新聞の毎日曜日に連載されている美術記事のなかの掲載画を見て、ひと目みて心に響く画に出会った。デンマークの画家で、その名はヴィルヘルム・ハンマースホイVilhelm Hammershøi (1864 – 1916)とあった。もちろん浅学ゆえ初めて聞く画家だった。というより情けないことに何もかも知らなすぎる。80年代以降俄かに≪半世紀を超える沈黙からよみがえって・・・欧米で熱い視線を集め≫(日本経済新聞・「美の美」より)ているという海外の再評価の動きのトピックにあわせて取上げられたのだろうけれど。その記事のメインタイトルは「謎の沈黙」だ。そう、そのとおり、そこには沈黙、いや静謐が支配しているのだった。≪後年、その作品を高く評価し、彼に関するエッセーを書くために面会したドイツの詩人リルケは、「絵を描くことしかできず、描く以外のことはするつもりもない人物」と評した。ハンマースホイメージ 3イは寡黙で人と打ち解けず、人前に出るのを嫌った。十分な取材ができなかったリルケはエッセーを仕上げられなかったそうだ。≫(上記記事より)精神を病んでいたということも伝えられているとのこと。それゆえか、過敏な感受性を感じさせる。この画家の才能を評価していた先の詩人リルケは≪「ハンマースホイは、そう軽々に語れるような人物ではありません。彼の仕事はゆったりと息の長いもので、どの時点でそれを理解するにせよ、それは常に、芸術において重要なことがらや本質的なことについて話すための良いきっかけになるでしょう」≫とその慧眼の言葉をこの画家のパトロンだった人物への手紙に記しているそうだ。そういうお墨付きがなくても、心に染み入るところがないだろうか。



若い女性の肖像、画家の妹アンナ・ハンマースホイ Portrait of a Young Woman. The Artist's Sister Anna Hammershoi, 1885(画家21才の作品)


イメージ 4