yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

『かあさん 弾けたよ -障害者ピアノコンクール・ある親子の挑戦-』。生きること、その精一杯の努力のすがたに、言いようのない、人の純な<やさしさ>を、<切なさ>を心の襞に贈られることだろう。

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たまたまだった。リモコンスイッチオンして目に映じたのが、途中からだったのだけれどNHK教育テレビの「福祉ネットワーク」という番組だった。そのときの放送内容は≪番組の主人公は、知的障害がある27才の女性・羽田香織さんとその母親・美雪さん。小さい時から運動も勉強もいつもビリ。“自分には何も出来ない”と思いこみ、家に閉じこもりがちな生活を送ってきた香織さん。そんな我が子を認めてあげられず、“恥ずかしい”とすら思っていた母親の美雪さん。二人は、障害者のピアノコンクールを目指し、奮闘する中で少しずつ、変わっていく。コンクールが終わった後、二人が手に入れたものは・・・?≫というものだった。親御さんのこれまでのつらい思いを考えるだに、生半可なコメント、ことばは差し控えようと思うけれど、しょうじき涙腺緩みました。先生を傍らにピアノ練習から発表会へ、そして、母親からも、先生からも突き放され、≪小さい時から運動も勉強もいつもビリ。“自分には何も出来ない”と思いこみ、家に閉じこもりがちな生活を送ってきた香織さん。≫が、まったくのひとりぼっちで、コンクール会場のお客様に挨拶をし、ピアノの前に佇み演奏の発表の場に立つにいたる健気なすがたに、胸熱くなった。心細く、不安で張り詰めた緊張から解き放たれた安堵、それとうれしさ。それらが一挙に押し寄せてきたのだろうか、なしとげたあとの香織さんの頬をつたい流れる涙。もちろんお母さんの不安と慈愛に満ちたまなざし、きわまりこみ上げる涙・・・。その後、煩わすことなく、まったくの一人で交通機関を利用してピアノ慰問の養護老人ホームへと、道を尋ねしながら歩を進めてゆく羽田香織さん。≪「いっしょに歌ってくれてうれしかった」≫・・・。少なくとも、生きること、その精一杯の努力のすがたに、言いようのない、人の純な<やさしさ>を、<切なさ>を心の襞に贈られることだろう。
ひとにやさしくなれる。これ以上のことはない。ありがとう。

  「愛語能く廻天の力あることを学すべきなり」(道元正法眼蔵・菩提薩捶四摂法」)

再放送が、時間帯の制約はあるけれど8月11日(月)にあるとの事なので、ご紹介方々取り急ぎ投稿した次第。

言葉にできない:小田和正 on piano