yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ヨー・ヨー・マ『エンチャントメント・NHK「新シルクロード」のサントラ』。長大の文化をもつ大陸悠揚の歌心が存分に発揮された親しみやすい音作りの劇伴音楽

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Silk Road Ensemble ,live at the rehearsal hal Toronto

        

イメージ 2図書館のネット借受のCD『エンチャントメントENCHANTMENT~魅惑の響き~NHKスペシャル新シルクロード」オリジナル・サウンドトラック』が今日取り上げるアルバム。本当は、先日の投稿記事であげた「ツバメの歌」を聴きたくてアルバム「アパッショナート 」を借りるべしだったのだけれどあいにく貸し出し中とのことで、この選択となったのだ。世界的チェリストヨー・ヨー・マがNHKより依頼され、音楽監督として、アジアの民族楽器の名手たちを組織して編成された「The Silkroad Ensemble」により制作されたアルバムのよし。以前、おなじNHKテレビの「NHK放送開始50周年記念番組」・「未来への遺産」(1975)の武満徹サウンドトラック盤LPを
廃墟と化した遺跡に悠久の時を隔て響き渡るエキゾチックで玄妙・幽玄な武満サウンド『未来への遺産』(1975)≫とタイトルして取り上げた。その30年後の≪NHKが放送80周年記念企画として製作するNHKスペシャル「新シルクロード」のサントラ≫盤が当のものというわけだ。奈良・正倉院の宝物の存在を見るまでもなく、その遥けし歴史・人とモノの往来、そのロマン掻き立てるシルクロード。たっぷりとそのエキゾチズムが歴史のロマンともども音楽で味わうことができる趣向。かつて、起点であり終点といわれた中国・長安には、行き交う碧眼の民が数多く見られるほどに賑わっていたそうだけれど。以前弊ブログで≪西暦1000年紀は平安京の時代であった。その平安京は世界でも指折りの大都市だったのだ。それに比しパリ(2万人)やロンドン(1.5万人)は田舎町だった。≫と投稿したように、西暦1000年ころの世界一位の人口都市はスペイン・コルドバで、2位は中国・宋(北宋)の首都開封。ちなみに我が京都は人口およそ推計18万人で、世界五位だったそうである。シルクロードを文明の動脈に持つユーラシア大陸がどれほどのもであったかを示してもいよう。そうしたことの想像羽ばたかせるに格好のエキゾチックな音に満ちた大陸の響きを愉しむことができる。己が出自を中国にもつヨー・ヨー・マ。その長大の文化をもつ大陸悠揚の歌心が存分に発揮された親しみやすい音作りの劇伴音楽となっている。これに較べれば武満の≪玄妙・幽玄な武満サウンド≫「未来への遺産」とは、なんと大きな違いだろう。このヨー・ヨー・マは、時に唄いすぎるのが欠点というか、長所というか・・・。そうしたことも考えさせてくれるアルバムといえようか。



『エンチャントメント~魅惑の響き~NHKスペシャル新シルクロード」オリジナル・サウンドトラック』

イメージ 31. モヒーニー(魅惑)
2. オアシスの夢
3. 遥かなる緑の谷
4. アハルカラキの踊り
5. いにしえの都のこだま〈起源〉
6. 天山の峰々
7. ツバメの歌
8. 戦の記憶
9. 草原の夏〈新たな始まり〉
10. コー・アラブ
11. シカスタ(吟遊詩人の歌)
12. キャラバンサライの夜
13. 千頭の馬のギャロップ
14. タラング(波)
15. 慶雲
16. モヒーニー(魅惑)(ソロ・チェロ・ヴァージョン)


http://www.yo-yoma.com/ ヨー・ヨー・マ公式サイト


Silk Road Project: Yanzi (Swallow Song)