yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ダレン・アーモンド(英・1971-)。月明かりのもと長時間の露光で撮った日本の風景写真。淡い幽玄の雰囲気が滲み出て水墨画を思わせる風韻、気韻、静謐に佇む精神性に感じ入る。

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イメージ 2主な読書?は新聞という、ここ最近のていたらくで情けない限りだけれど、先日新聞の小さなコラムで取り上げられていたイギリスの、1971年生まれの若手美術家の「月の光生かし日本の風景撮影」なる記事が切手大ぐらいのごく小さな画像ともども目にとまった。ダレン・アーモンド Darren Almondなるその美術家が、≪日本を旅して出合った海岸や森などの風景を月光だけを頼りに撮影・・・≫した作品で、その月明かりのもと長時間の露光で撮った風景写真が何とも日本的余情湛え、淡い幽玄の雰囲気が滲み出て水墨画を思わせる風韻、気韻、静謐に佇む精神性には感心した。で、ネットを覗いたら鮮明な写真画像と次の紹介記述があった。
≪都市の喧噪から離れ、街灯すらない完全なる静寂に包まれた自然風景を、満月の夜にその月明かりのみで長時間露光で捉えたこのシリーズは、当初ターナーコンスタブル等の風景画の巨匠や文豪が描いた風景をなぞることから始まりました。
それらの風景を、作家はあえて日の光ではなく、月明かりの下で捉えることを試みています。長時間露光で撮影された風景は、時間の流れや空気感まで包み込み、控えめで繊細な美しさを持つ幻想的な存在感を放ちながら立ち現れます。作家は撮影時に自分も闇に包まれた時に、風景があたかも人の心の空虚な部分を現し、次第に自分を内なる記憶へと誘い込むように感じると語っています。そのようなプロセスを経て制作された作品は、観る者にノスタルジーや共感を覚えさせ同調させながらも、内深くに浸透しその記憶を静かに惑わせ、時間や空間の存在を揺るがせるのです。≫
日本人の美徳として、すべからく繊細な感受性をそなえているなどとはつゆほども信じてはいないけれど、してやられたりといった思いがないでもない。この美術家が述べている哲学があってこその作品、との感興もたせる作品といえないだろうか。ようするに哲学の在りや無しやなのだろうけれど・・・。