yuki-midorinomoriの日記

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アルバート・アイラー『スピリチュアル・ユニティ SPIRITUAL UNITY』(1964)。愛を歌い上げ、土の匂いふんぷんのトラディショナル・フリー。意気清新に漲るフリー・パフォーマンスを敢然。

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Albert Ayler - Spiritual Unity - 04 - Ghosts_second variation

           

イメージ 2フリージャズを語るとき先ず筆頭に上げられるのが多分きょう登場するアルバート・アイラーAlbert Ayler、1936 - 1970)のこのESPレーベルから出された『スピリチュアル・ユニティ SPIRITUAL UNITY』(1964)であることだろう。だが、今になってのブログ登場とはいささか遅すぎるの感は否めないかも知れない。まったく順逆も甚だしいと。しかし理由はある。若き日の私にとってのフリージャズはヨーロッパのそれであったのだ。ブロッツマンであり、エヴァン・パーカーであり、デレク・ベイリーであり、ハン・ベニンクらだった。それらに割ってはいるアメリカン・フリージャズはセシル・テイラーであり、アートアンサンブル・オブ・シカゴらでしかなかった。今日のこのアルバート・アイラーは私のフリージャズリストからは落丁していたのだった。そのことは拙ブログでも開設間もない頃に≪英国フリージャズ、AMALGAMの愛と祈りは、人を気高く崇高にさせる≫とタイトルして投稿し、その記事中で≪フリージャズへの最良の導きとしていただきたく、ここに採り上げました。タイトルにあるように「祈り」に相応しい精神性の高みをこの演奏に聞かれることとおもいます。アルバート・アイラーよりも、ボサノバに行ってしまった渡辺貞夫よりも、こちらからと、薦めたい一曲です。≫とまで綴ったものだった。今から思えば、いささか口がすべったと云えなくもないけれど。というのは、≪『グリニッチ・ヴィレッジのアルバート・アイラー』。思い込みを破砕するに十分なエネルギーと、ジャズすることの情熱・パッションと愛を歌い上げる激しいコレクティヴパフォーマンスに満ちていて驚いた。≫と印象綴ったこのアルバムとの再会が先の評価を覆すとまでは云わないけれど、再考のきっかけを与えてくれたのだった。で、その後棚から、埃をかぶり眠っていた2枚組みのアルバムを取り出し聴いたのだった。これはディスク大賞等の最高の栄誉を与えられていたアルバムだった。で、≪アルバート・アイラー『NUITS DE LA FONDATION MAEGHT』(1970)。死の直前のヨーロッパ・フランス・ライヴ。土の匂いふんぷんのトラディショナル・フリー。≫と印象して綴り投稿した。順逆甚だしいけれどやっと今日と云う日がやってきた。だのに、情けないことに先の三つの投稿記事以上にことばが出てこない。どうやら≪愛を歌い上げる≫≪土の匂いふんぷんのトラディショナル・フリー≫という既述の印象に尽きるようだ。何を今更言っているのと呆れられそうだけれど、ひじょうにハートフルだった。ベースのゲイリー・ピーコック(Gary Peacock、1936 - )もドラムのサニー・マレイJames Marcellus Arthur "Sunny" Murray (1936‐)も時代を食い破る意気清新に漲るフリー・パフォーマンスを敢然。今更ながらにこのユニットのすばらしさが歴史的名演の栄を不動とすることに感じ入る。



『スピリチュアル・ユニティ SPIRITUAL UNITY』(1964)

1. Ghosts: First Variation
2. Wizard
3. Spirits
4. Ghosts: Second Variation



Albert Ayler – Mothers : from Ghosts