yuki-midorinomoriの日記

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イタリアの即興演奏グループ<ヌーヴァ・コンソナンツァ>『Improvisationen』(1969)。ひじょうに熟達の落ち着いたインテリジェントなコレクティヴインプロヴィゼーション

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Azioni I Gruppo di improvvisazione Nuova Consonanza

            

Franco Evangelisti(グループ創設メンバー)
イメージ 2イメージ 4さて、きょうはイタリアの即興演奏グループ「ヌーヴォ・コンソナンツァGruppe Nuova Consonanza」の拙ブログへの2回目の登場。ドイツ・グラモフォンのLP6枚組みのアヴァンギャルドVOL.2のうちの一枚。アルバムタイトルはそのものズバリの『improvisationen』(1969)。1964・5年に結成されたというからずいぶんと早い集団即興演奏の試みといえようか。ここら辺りの即興演奏史の詳細は浅学にして私は知らない。たぶんクラシック畑のこうしたグループとしては魁だと思うのだけれど。このグループの概略はだいぶ前に≪ピアノ連打のドローンとホーン楽器の倍音で土俗・民俗的な古層の神秘性を感じさせる『NUOVA CONSONANZA』のグループインプロヴィゼーション≫とタイトルして投稿したイタリア・クランプスレーベルより出されていたアルバムの一稿目のほうに目を通していただくとして、概ねの印象としては前回同様≪アコースティック楽器でのパフォーマンスのせいか、ひじょうに熟達の落ち着いたインプロヴィゼーションとなっている。≫と云うのは変わらない。たぶんそれは≪メンバー6人のうちFranco Evangelisti (1926 - 1980)とEnnio Morricone、それにEgisto Macchiの3人が1926年1928年の生まれという構成≫と云う、少し世代的な旧さが、そうした≪熟達の落ち着いたインプロヴィゼーション≫を帰結しているのではと推量したのだったけれど。ともかくも、この「NUOVA CONSONANZA」のインプロヴィゼーションの質はぬきんでてセシティヴで優れている。何よりも、品性がいい。インテリジェンスに満ちている。このアルバムに収録されている唯一の純然たる電子音響作品の抑制されて静やかなパフォーマンスも好ましい。彼らの、音楽へのスタンスを証示しているといえるのだろうか。



イメージ 3ヌーヴァ・コンソナンツァ Gruppe Nuova Consonanza『Improvisationen』(1969)


Released: 1968

Credits: Cello, Trombone - John Heinemann* (tracks: A to B3)
Double Bass - Walter Branchi
Percussion - Egisto Macchi (tracks: A to B2, B4) , Mario Bertoncini (tracks: A to B2)
Piano - Franco Evangelisti (tracks: A to B2, B4)
Technician [Electronic] - G. Giuducci
Trumpet - Ennio Morricone (tracks: A to B3)

Notes: Part of a six LP box: Avant Garde, Vol. 2.
The records have individual covers and are independent of the box.

Tracks A1-B3 are acoustic improvised music, track B4 is an improvised electronic/concrete piece.
Tracks A1-B2 - Gruppe Nuova Consonanza
Track B3 - Branchi/Heinemann/Morricone
Track B4 - Realisation: Studio R 7 (Laboratorio elettronico di musica sperimentale, Roma)
Branchi/Evangelisti/Macchi
Electronic technics: G. Guiducci

A ... E Poi?
B1 Quasiraga
B2 Light Music
B3 Ancora Un Trio
B4 Credo


The LP was also released in a box-set entitled "Avant Garde Vol.2" (6 LP). This release also contained the following titles: "Improvisationen" (by Gruppa Nuova Consonanza) (DGG 643 541); "B.A.Zimmermann: Présence - Intercommunicazione" (DGG 643 542); "Mauricio Kagel: Hallelujah - Dieter Schnebel: dt 316 - AMN - :! (Madrasha II)" (DGG 643 544); ? (DGG 643 545); "Karlheinz Stockhausen: Telemusik - Mixtur" (DGG 643 546)




即興演奏関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/43041201.html ピアノ連打のドローンとホーン楽器の倍音で土俗・民俗的な古層の神秘性を感じさせる『NUOVA CONSONANZA』のグループインプロヴィゼーション

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/42768831.html 70年代、ビルトォジティをしてフリー・インプロヴィゼーションを果敢したドキュメント『FREE IMPROVISATION』(1974)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56327963.html ヴィンコ・グロボカール「ECHANGES」(1973)ほか。身体的制約からの超越が繰り出すヴィルトージティを超えた人間技の圧巻。斬新で、緊張感に満ちた音響パフォーマンス。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56050575.html ヴィンコ・グロボカール『DRAMA UND CORRESPONDENCES』(1971)。そのヴィルトージティの目くるめくばかりの即興演奏の見事さは、まさにスリリングな快感以上ではない。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55562011.html ヴィンコ・グロボカールら4人編成の即興演奏集団「NEW PHONIC ART」(1971)。≪有機的に生まれる反応の連鎖≫が作り出す緊張感に満ちた圧倒的にスリリングな音響空間。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55488116.html 『ヴィンコ・グロボカールの音楽』(1973)。60年央から70年代にかけての集団即興演奏の熱気。ヴィルトーゾがなす集団即興演奏の凄み。煌めく空間の密度と緊張感。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/43745683.html 大愚を現成しえたか、<僥倖と恩寵>の即興演奏『GAP』(1976―77)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/54255076.html カリスマ小杉武久のいない『EAST BIONIC SYMPHONIA』(1976)。ミニインプロヴィゼーション「旅行」。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/46537130.html 道教老荘的感性を強く意識させる音たちの生成消滅小杉武久率いる『TAJMAHAL TRAVELERS』(1974)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/37083145.html 鉱石ラジオのキャッチウエーブの不思議の感動にはじまる小杉武久『タージマハール旅行団』(1972)

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/20611042.html 音楽無産者小杉武久のエレクトリックウェーブメッセージ

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/15822937.html ドローン(持続低音)と電子変容されたバイオリンの揺らぐ音色の瞑想的世界

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/48117678.html マオイストフレデリック・ゼフスキーの親しみのあるメロディ散見するミニマル的コレクティブ・インプロヴィゼーション『United Patchwork』(1977)2枚組。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/43077667.html MEV(ミュージック・エロクトロニック・ビヴァ)の喧騒と狂騒のカオスに高揚する『The Sound Pool』(1969)

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