yuki-midorinomoriの日記

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『German All Stars - Live At The Domicile』2枚組み(1971)。3ヶ月の長期に亘る西アジア各国演奏ツアーの成果帰国報告ライヴドキュメント。

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Albert Mangelsdorff - Now Jazz Ramwong

           

きょう取り上げるアルバムは,1971年収録リリースのもの。おおよそで云えば約40年近く前のものだ。ドイツ、ゲーテ・インシティテュート(世界各国に支部を持つ「ゲーテを中心に広くドイツ文化に関する研究の連絡提携および促進を図り、ドイツ文化の理解と普及に資し、もって学術文化の発展に寄与すること」を目的とした公的機関)・ミュンヘンがオーガナイズし、トロンボーン奏者のアルバート・マンゲルスドルフをリーダーに3ヶ月の長期に渡り西アジア各国(トルコ、イラン、アフガニスタン、西パキスタン、タイ、日本、フィリピン、インドネシアシンガポール、マレーシア、セイロンなど)へ、ドイツ・ジャズ(=音楽文化)の紹介を目論んで行われた演奏ツアー。その成果帰国報告といった趣きでおこなわれたツアーと同じメンバーによる2枚組みのライヴドキュメントが、この『German All Stars - Live At The Domicile』(1971)のよし。なんと、粋なもんですね。べつにドイツがジャズ文化発祥の地でも何でもないのだけれど、<文化>を発信するというこの (おし付けがましくも自信に満ちた)心意気。文化外交にもこれくらいの押しの強さ、自信を必要とするのだろうか。それに相応のガッチリしたドイツジャズ!?(錚々たるメンバーです)のほどよいアヴァンギャルド性と、オーソドキシーのすばらしいバランス(音楽の伝統国ヨーロッパ・ドイツ)での力強いパフォーマンスが収録されている。私だけの好み、思い入れかもしれないけれど、この同時代を顧みてもアメリカンジャズよりはるかに音楽的に洗練されていて面白い。再発リリースもなく、ほとんど聴くことすらままならない古い絶盤アルバム取り上げるばかりでいささか気が引けるのだけれど、こう云う記録も残されているのだよ、との回顧報告紹介記事として擱くことにしよう。



『German All Stars - Live At The Domicile』(1971)

Albert Mangelsdorff (leader, tb)
Ack van Rooyen (tp)
Manfred Schoof (tp)
Rudi Fuesers (tb)
Michel Pilz (as)
Emil Mangelsdorff (as, fl)
Gerd Dudek (ts)
Heinz Sauer (ts)
Willi Johanns (voc)
Wolfgang Dauner (p)
Guter Lenz (b)
Ralf Hubner (dr)

Tracks:

1-1 Out Of Reach
1-2 Figures
1-3 Gebäude
1-4 Hammerkopp
1-5 Epilog
2-6 Nuggis
2-7 Sweet Lament
2-8 Hornsalut
2-9 When Lights Are High