yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

バール・フィリップス『Basse Barre』(1968)。A、B両面トータル約40分弱のベースソロアルバム。この退屈させない表現力。

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Julyen Hamilton & Barre Phillips

           

イメージ 2ベースソロアルバムは、ジャズ史上このバール・フィリップスBarre Phillips (born October 27, 1934 in San Francisco)がいっとう最初のものと云うことらしい。1968年ロンドンにて録音の『Basse Barre』。リリースされたのはフランスFUTURAレーベル。A、B両面トータル約40分弱のベースソロ。このことひとつとっても珍しく、先駆的試みといえるのだろう。しょうじき地味な楽器のベースが、それもインプロヴィゼーションパフォーマンスでリリースされるとは・・・。このバール・フィリップスのベースがどれほどのものか私にはわからないが、針を落としてから最後まで惹き付けて聴かせること思えば、その音楽性、並ならぬものがあるのだろう。と云うのも、全体を通じて調性感を保持してのオーソドックスなソロゆえなのか退屈させないのだ。と云うも、歌うヴァイオリンでもなく、チェロでもなく、ベースであることが、地味といえば地味なんだけれど・・・。だけどこの時代(フリー沸騰の時代)なればこそのベースソロアルバムであり、あらゆる主張が受け入れらはじめられた時代でもあったのだろう。このバール・フィリップスと云うベーシストのキャリアをみてみると最初期に我が愛するエリック・ドルフィーの名が見えるのも、たぶん興味の惹くところだったのだろうか。いやそれもあるけれど、この60年代後半のヨーロッパは社会的にヴィヴィッドな動きともどもフリージャズ動向からも目の離せない活況を呈していた時代だったということの証示として斯様なアルバムが在ったのかも知れない。イギリスには、バリー・ガイと云うクラシカルな作曲家にしてベーシストであり、フリージャズの強力なオーガナイザーの存在が突出しているけれど、この傑物もまたベースソロアルバムを出している。