yuki-midorinomoriの日記

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小沢昭一『小沢昭一 ごきげん“心の青空”』(2004)。心にのこる懐かしの歌はジョウズに唄われるよりは「味わい」が一等大事。歌は語れだ。懐旧のノスタルジアに“心の青空”を・・・。

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小沢昭一 ハーモニカブルース 1985

          

          ハーモニカがほしかったんだよ
          どうしてかどうしてもほしかったんだ
          ハーモニカがほしかったんだよ
          でもハーモニカなんて売ってなかったんだ
          戦争に負けたんだ
          カボチャばかり食ってたんだ

                (谷川俊太郎/ハーモニカブルース )


イメージ 2「好きな歌ばっかし唄わせていただきます。唄、わたくし、決して上手くありませんよ~」と滑舌よろしくご機嫌ナレーションのもとホンガラカにはじまる。「あんたの唄はウタとちがってヘタだ」という漫才ネタがあるけれど、なんの、けっしてけっしてそんなことはありません。まことに味わい深い歌唱(力)です。きれいに、上手に唄われるとかえって興ざめと云うこともないではない想い出のココロの歌。むしろ、心にのこる懐かしの歌はジョウズに唄われるよりは「味わい」が一等大事と思われますが・・・。そうです、それらは口ずさむものでしょう。<小沢昭一的こころ>の絶妙の話芸、語り、にのせて「心の青空」に広がる懐かしの童謡、唱歌、流行歌がチャリンコに乗って口ずさむが如き軽快に唄いつながれてゆく。図書館ネット予約借り入れの『小沢昭一‐ごきげん‐“心の青空”』がそのアルバム。構成、語り、唄のすべてを大衆演芸的ココロの小沢昭一ひとりがやってのけるという多才の結晶。ま、ともかく真面目くさって構えていない、この演芸性、猥雑性ない交ぜの類稀な知性がおおいに魅力のあるところ。アジワイの唄をあじわい、それぞれの懐旧のノスタルジアに“心の青空”を・・・。



小沢昭一 ごきげん“心の青空”』(2004)

1. 丘を越えて
2. 私の青空~MY BLUE HEAVEN~(ナレーション)~私の青空~MY BLUE HEAVEN~
3. ラジオ体操の歌(ナレーション)~ラジオ体操の歌
4. 青葉繁れる(桜井の訣別)~牛若丸(ナレーション)~青葉繁れる(桜井の訣別)~牛若丸
5. 春が来た~茶摘み~里の秋~雪~星の界(ナレーション)~春が来た~茶摘み~里の秋~雪~星の界
6. 二人は若い(ナレーション)~二人は若い
7. 青い背広で~緑の地平線~森の小径(ナレーション)~青い背広で~緑の地平線~森の小径
8. 涙の渡り鳥~リンゴの木の下で~ああそれなのに(ナレーション)~涙の渡り鳥~リンゴの木の下で~ああそれなのに
9. 旅姿三人男~白鷺三味線~弁天小僧~赤城の子守唄(ナレーション)~旅姿三人男~白鷺三味線~弁天小僧~赤城の子守唄
10. 「ウ~ラヤブカゴデボンボンボン」~「シェルパの唄」(ナレーション)~ウ~ラヤブカゴデボンボンボン~シェルパの唄
11. 越後獅子の唄~あの丘越えて~ひばりの渡り鳥だよ(ナレーション)~越後獅子の唄~あの丘越えて~ひばりの渡り鳥だよ
12. デコ坊よ~浪曲子守唄~唄入り観音経(浪曲)~デコ坊よ(ナレーション)~デコ坊よ~浪曲子守唄~唄入り観音経(浪曲)~デコ坊・・・
13. お座敷小唄(ナレーション)~お座敷小唄



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http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/54855773.html小沢昭一が訪ねた「能登の節談説教」』。話芸、≪現在の落語や講談・浪曲などの高座芸能の源流≫。≪「うたうが如くはなすが如く、ハナシがフシになりフシがいつのまにかハナシに戻るという妙味」≫の話芸。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/54350304.html 小沢 昭一『日本の放浪芸・大会』(1974)CD3枚組み。道ゆく境界流浪の民のいまや滅び消えなんとする、遊び、芸、性のノスタルジア以上の愉しくも猥雑なサマの残像が浮かんでくる。


小沢昭一 ハーモニカ 丘を越えて