yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

モーリス・ラヴェル『ピアノ全曲集』。澄明で多彩な音色の煌めくばかりの生きいきとした移ろい。そしてかっちりした形式感。

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Fazil Say plays Ravel sonatine

           

イメージ 2きょうもまた昨日に引きつづき、図書館のネット予約にて借り受けたアルバム。モーリス・ラヴェル Ravel, 1875 - 1937)の『ピアノ全曲集』CD2枚組み。演奏者はパスカル・ロジェPascal Rogé, 1951 - )。人気があるのか申し込んでからひと月以上の待ちで、やっと順番がまわってきた。聴きたかったのは、≪雑誌が主催した作曲コンクールのために書き上げ≫(WIKI)、唯一入選した(これを機に本格的な作曲家活動に入る)作といわれている「ピアノのためのソナチネ」(1903‐05)。傑作の「夜のガスパール(Gaspard de la nuit)」(1908)や「クープランの墓(Le Tombeau de Couperin)」(1914-17)ではなく、「ソナチネ」だったのだ。というのは、過日、NHK・FMの「気ままにクラシック」なる番組の再放送分を出勤途上の自動車中で聴いていたおり(いつものごとく時間の都合で全部を聴けないのだけれど)、FM開局40周年ということで特別に組まれたコーナーらしく、未来のクラシック演奏者を目指している小中学生の子どもたちを会場に招き、演奏を披露していたのにでくわしたのだった。さすが選ばれてのことゆえ、みんな見事な技量で弾きこなし感心して聴いていたのだったけれど、なかでも、そのうちのひとつで、演奏もさることながらいい曲だなーとの印象をもったのが、演奏後のアナウンスで、先のラヴェルの「ピアノのためのソナチネ」とわかり、もう一度とばかりにネット借受予約となった次第なのだ。私にとっては今まで、ラヴェルドビュッシーに隠れて、その後塵を拝すといったイメージでしかなかったのだけれど、なんのなんの・・・、その澄明で多彩な音色の煌めくばかりの生きいきとした移ろい。そしてかっちりした形式感。(そうなのだ、これが明瞭で輪郭のハッキリしたまとまった印象をもたらすのだ)光と水に揺らめくがごとくの鮮やかなまでのピアニズム。いうまでもなくドビュッシーに並び立つ音楽史上の作曲家であることを、ことピアノ作品だけでもこの今回のCD2枚のピアノ作品全集で再認識させられたのだ。それにしても、この時代(印象派の)は、空気、光の移ろい、その色彩のゆらぎが自然表象であるにしても、<水>がよく出てくる。なぜなのだろう。




ディスク:1
1. ソナチネ
2. 優雅にして感傷的なワルツ
3. クープランの墓
4. 夜のガスパール

ディスク:2
1. 前奏曲
2. ハイドンの名によるメヌエット
3. ボロディン風に
4. 古風なメヌエット
5. 亡き王女のためのパヴァーヌ
6. シャブリエ風に
7. 鏡
8. 水の戯れ
9. マ・メール・ロワ


モーリス・ラヴェル投稿済み記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/52472470.html モーリス・ラヴェルピアノ三重奏曲]』。繊細に、輝きをもって色めくその抒情は「玄妙」と言いたいほどに美しい。ジャポネスク?の優しさに満ちた、ゆらめく旋律。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/51932339.html モーリス・ラヴェルの『夜のガスパール』。その表情豊かな音、色艶鮮やかな音たちを奏でる完璧なまでのマルタ・アルゲリッチのピアノ。