yuki-midorinomoriの日記

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アルベニス『組曲《イベリア》/組曲《スペイン》』。民族派にありがちな旋法、アーティキュレーションへの執拗なこだわりが、当初のエキゾチズムを通越して、聴き慣れてくると辟易との感を抱かせる。贅沢だけれど

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Corpus Christi en Sevilla - Isaac Albéniz - Esteban Sánchez

            

イメージ 2きょうも、過日通勤途上の自動車FMラジオから流れていて、これはと印象して、もう一度じっくりと聴きたいと、例の如く図書館のネット予約で借り受けたアルバムの登場。スペインの民族派作曲家と称されているイサーク・マヌエル・フランシスコ・アルベニス(Isaac Manuel Francisco Albéniz, 1860 - 1909)の『組曲《イベリア》/組曲《スペイン》』がそれ。紹介アナウンスで<放浪>の・・・ということばが耳に届いたので、音源もさることながら生きざまにも興味をもった次第。≪カタルーニャのカンプロドンで生まれ、4歳の時にピアノ演奏をするほどの天才児だった。ライプツィヒの音楽院で短期間学んだ後、1876年にブリュッセルで学ぶ。1880年ブダペストに赴いてフランツ・リストに師事しようとしたが、当時リストはヴァイマルにいたため会えなかった。なお、少年時代についてはこれまで世界を股に翔けた冒険物語として伝記等で知られてきたが、これらはアルベニス自身の話を書き留めたものでほとんどが嘘である事が判明している。≫(WIKI)とある。まるで生活のためにあちこちと引っ張りまわされての放浪音楽生活など神童モーツアルトのようでもあり、幾分の人格的欠陥?の匂いすらするのも興味をもたせる。数ある音楽史上のピアノ作品のなかでも、このアルベニスの作品は傑作、難曲とされているらしいのだけれど。ま、わたしの好みとすれば、一般的評価はともかくにしても、先に投稿したフェデリコ・モンポウのような寡黙静謐、削ぎ落としたシンプルな音つくりの作品の方が我が肌あいにはふさわしく、このアルベニスのような、(リスト信奉者?にふさわしい)華麗な技巧ときらびやかさの披瀝を主調とする作風は、やはり通しで聴いてみると、美しくはあるけれど退屈してくる。民族派にありがちな旋法、節まわし、アーティキュレーションへの執拗なこだわりが、当初のエキゾチズムを通り越して、聴き慣れてくると辟易との感をいだかせる。なんとも贅沢ではあるけれど。モロに技巧的にして華麗に美しいというのは、どうやら何回も繰り返し聴く音楽ではなさそうだ。すくなくとも天邪鬼な私にとっては!と、ここでことわっておかなくてはうしろから石つぶてが飛んできそうだ・・・まあ、好みの問題ですが・・・。




アルベニス組曲《イベリアIberia》/組曲《スペインEspana》Op.165』

1. 組曲 ≪イベリア≫ 第1集 エボカシオンÉvocation
2. 組曲 ≪イベリア≫ 第1集 エル・プエルトEl Puerto
3. 組曲 ≪イベリア≫ 第1集 セビリャの聖体祭 Fête-Dieu à Séville
4. 組曲 ≪イベリア≫ 第2集 ロンデーニャRodeña
5. 組曲 ≪イベリア≫ 第2集 アルメリアAlmería
6. 組曲 ≪イベリア≫ 第2集 トリアーナTriana
7. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ 前奏曲 No. 1, Preludio, in D minor/A Phrygian
8. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ タンゴ No. 2, Tango, in D major
9. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ マラゲーニャNo. 3, Malaguena, in E minor/B Phrygian
10. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ セレナータ No. 4, Serenata, in G minor
11. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ カタロニア奇想曲No. 5, Capricho Catalan, in E flat major
12. 組曲 ≪スペイン≫ 作品165-6つのアルバム・リーフ ソルツィーコ No. 6, Zortzico, in E major