ヘンツェの『ヴァイオリン協奏曲第1番』(1947)とツィンマーマンの『ヴァイオリン協奏曲』(1949)。ヘンツェはよく歌い、ツィンマーマンは多様式感の鮮やかさで際立つ才筆を示しており見事だ。
きょうレコード棚を何探すでもなくガサゴソと未投稿ブロックにかためてあるうちの数十枚を繰っていて何これとピックアップしてきたのがヘンツェ(1926~)とツィンマーマン(1918~1970)の初期作品のカップリングされたレコード。ヘンツェの『ヴァイオリン協奏曲第1番』(1947)とツィンマーマンの『ヴァイオリン協奏曲』(1949)というふうに両作曲家にとっても、音楽史上の変革の時代動向12音列セリーに対する若き日の解答、スタンスを示す作品といえる響きが提示されている。ヘンツェはよく歌い、ツィンマーマンは多様式感の鮮やかさで際立つ才筆を示しており見事だ。軍配はツィンマーマンに上げられるとおもうが、これは単にわたしの好みの問題なのかも知れない・・・。今まで比較的早くから拙ブログに登場しているのがツィンマーマンであることもその好みの如何を示していると言えるのだろう。
ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ関連投稿記事――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59549314.html ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ『交響曲第9番(混声合唱と管弦楽のための)』(1997)。ともかく厚みと深みをもった、感嘆のオーケストレーションで唸らせはする・・・が。
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59292510.html ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ『交響曲第7番(1983‐4)&舟歌(1979)』(1993)。先鋭性はうすれはすれどスケールに磨きがかかり、重厚豊麗な音を保守的彩りで絢爛と響かせている
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59103623.html ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ『ピアノ協奏曲<トリスタン> (ピアノとテープと管弦楽のための)』(1973)。まったくゾクゾクさせるような色艶、陰影をもつ響き。
ベルント・アロイス・ツィンマーマン関連投稿記事――
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55710753.html ベルント・アロイス・ツィンマーマン『兵士たち・Die Soldaten(4幕からなるオペラ)』(1965)。現代音楽を特徴づける特殊奏法の極端な多用などはなされておらず、比較的聴きやすいといえるが・・
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55532460.html ベルント・アロイス・ツィンマーマン『協奏曲集』(1993)。けっしてアヴァンギャルドではない。ましてや折衷でもない、浮つかぬこの骨太が魅力だ。
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55400074.html ベルント・アロイス・ツィンマーマン『ツィンマーマン作品集』。精神の緊張、濃密。持続と炸裂その表象としての流動的な音色変化の凄まじいエネルギー。スゴイ!みごとだ!驚きだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/47176438.html 厳かさえ醸すサインウエーブの緩やかな動きで内省的であり精神性をつよく感じさせるベルント・アロイス・ツィンマーマンの電子音楽作品『Tratto』(1966)ほか。