yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ギュンター・ハンペル『GUNTER HAMPEL GROUP + JEANNE LEE』(rec.1968)。いくぶん内省的で、思わせぶりな作り物といった思いがしないでもないが・・・。

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Gunter Hampel Group + Jeanne Lee - The Capacity of this Room

               

イメージ 2こんにち、「日和る(ひよる)」といったことばなど使われているのだろうか。はるか昔、世の中が政治していた時には、よく使われていたことばだった。【《名詞「ひより(日和)」の動詞化》日和見1をする。また一般に、積極的にかかわらないで傍観する。「―・って体制側につく」「―・ってないで少しは手伝え」】(ネット辞書より)といった意味合いであり、思想上での節(フシ)を曲げる、節操をなくす、傍観するといった指弾のことばだった。きょうのドイツ・フリージャズ『GUNTER HAMPEL GROUP + JEANNE LEE』(rec.1968)を取り上げる際に、只今現在の彼らの動向確認のために動画を覗いていて、感じたことであり、口をついてでてきたことばだった。(ま、いつまでも尖っていることを期待するほうがどうかしているのかもしれないが。)この如何にもドイツ然?としたジャケットアルバムに詰まった、それなりに先鋭なジャズパフォーマンスを聴いている身にとっては、首を傾げたくなるような動画パフォーマンスだった。しょうじき耐え難い変節と、なじりたい気分だった。ヴォーカルのジャンヌ・リーはともかく、メンバーはフリーを先鋭果敢していた4人、

Bass, Harmonium - Arjen Gorter
Clarinet, Clarinet [Bass], Saxophone [Soprano, Contralto, Tenor] - Willem Breuker
Percussion - Pierre Courbois
Vibraphone, Flute, Clarinet [Bass] - Gunter Hampel

とりわけオランダ・フリージャズ<ICP>の創設メンバーの一人であるサックスのウィレム・ブロイカーがクレジットされているということで手にしたアルバムだった。(けれど、数年後のブロイカーのフリー放棄はもっとも失望させられたことだったが)リーダーのギュンター・ハンペルにとっても、よく出来ている方のアルバムといっていいだろうか。ただ情念のほとばしりに任せるフリージャズというより、いくぶん内省的で、そのことがかえって思わせぶりな作り物といった思いをさせないでもないが・・・。ジャズ評論家の、今は亡き油井正一は、このアルバムのライナー・ノーツで以下の寸評をコメントしている。すなわち、
≪ヨーロッパのジャズ界は、・・・アメリカの模倣を脱し、漸く自分自身の音楽を表現することに成功した。いたずらに黒人イディオムを追うものでなく、むしろヨーロッパの伝統に育ったヨーロッパ人のエモーションを大切にするといったジャズ。ギュンター・ハンペルの音楽は、その代表にあげられるべきものであろう。≫たしかに当時はドイツ・フリージャズ牽引者の一人ではあったけれど・・・。



ギュンター・ハンペル『GUNTER HAMPEL GROUP + JEANNE LEE』(rec.1968)

Credits:
Bass, Harmonium - Arjen Gorter
Clarinet, Clarinet [Bass], Saxophone [Soprano, Contralto, Tenor] - Willem Breuker
Percussion - Pierre Courbois
Vibraphone, Flute, Clarinet [Bass] - Gunter Hampel
Voice - Jeanne Lee

Notes:
Recorded: April 1968
Studio: Anfre Van De Water, Soest (Holland)


Tracklisting:
A1.Leoni Antoinette (9:40)
A2.O, Western Wind (6:00)
A3.The Capacity of This Room (5:45)
B1.The Four Elements (11:01)
B2.Lazy Afternoon (9:57)



ギュンター・ハンペル関連投稿記事――

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55950230.html ギュンター・ハンペル『Gunter Hampel Group/Music From Europe』(1966)。共演者ウィレム・ブロイカーのエモーショナルな力強いサックスと清新さが光っている。




gunter hampel goettingen concert part1