yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ベンジャミン・ブリテン『戦争レクイエム』。明晰と剄い精神性。

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私の主題は戦争であり、戦争の悲しみである。詩はその悲しみの中にある。詩人の為しうる全てとは、警告を与えることにある。

Britten War Requiem Rostropovich Lacrymosa

            

イメージ 2先日、≪ベンジャミン・ブリテン『チェロ作品集』。まず美学が違う。この不撓不羈の剄い精神。なまなかな叙情を排したその美意識から生み出される硬質、剛性の響き。≫とタイトルし投稿した、そのベンジャミン・ブリテン(1913 - 1976)の代表的作品?といえる、およそ90分の長大作『戦争レクイエムWar Requiem』(1961)をネット図書館にて予約借り受けた。私自身べつに絶対平和主義者でもないのだけれど・・・。かといって好戦主義者ではもちろんない。さて、ブリテンは保守的な形式感をもつ作曲家という事もあって、ドイツのヒンデミット同様今まで遠ざけてきた作曲家の一人ではあるのだけれど。先の記事を投稿するきっかけとなった≪不撓不羈の剄い精神。なまなかな叙情を排したその美意識から生み出される硬質、剛性の響き≫に聴ける異質の美学の再確認ということもあってこのアルバムを借り受けたのだった。全体的に、情に溺れる気負いなどなくドラマティックさを抑えていることに、かえって感動はジンワリと染み入ってくる。
関係ないことかもしれないけれど、「民主主義は最悪の政治であるが、今まで存在したいかなる政治制度よりマシである」とリアリスティックに政治を捉えたイギリスの宰相、チャーチルと同質の明晰と剄い精神性とを感じるのだけれど・・・。

この借り受けたアルバムにはペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」とアルバン・ベルクの「ヴァイオリン協奏曲 ある天使の思い出のために」の2作品が収録されている。とりわけ後者のベルク作品も傑作で、コトバを紡ぎだしたいところなのだけれど・・・後日としよう。・・・疲れました。





1. 戦争レクイエムop.66(ブリテン)

1. 戦争レクエイム 作品66[1]レクエイム・エテルナム(永遠の安らぎを)永遠の安らぎを
2. 戦争レクエイム 作品66[1]レクエイム・エテルナム(永遠の安らぎを)どんな戦いの弔いの鐘がふさわしいのか
3. 戦争レクエイム 作品66[1]レクエイム・エテルナム(永遠の安らぎを)主よ憐れみたまえ
4. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)怒りの日
5. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)らっぱが鳴った
6. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)本が開かれる
7. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)死に向かって行った
8. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)情け深いイエス
9. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)長くて黒い腕が
10. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)その日こそ怒りの日
11. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)涙の日
12. 戦争レクエイム 作品66[2]ディエス・イレ(怒りの日)情け深く優しい主よ
13. 戦争レクエイム 作品66[3]オッフェルトリウム(奉納唱)聖なるイエス・キリスト
14. 戦争レクエイム 作品66[3]オッフェルトリウム(奉納唱)旗手聖ミカエル
15. 戦争レクエイム 作品66[3]オッフェルトリウム(奉納唱)そしてアブラハムは立ち上がり
16. 戦争レクエイム 作品66[3]オッフェルトリウム(奉納唱)あなたは約束しました
17. 戦争レクエイム 作品66[4]サンクトクトゥス(聖なるかな)聖なるかな
18. 戦争レクエイム 作品66[4]サンクトクトゥス(聖なるかな)ホザンナ
19. 戦争レクエイム 作品66[4]サンクトクトゥス(聖なるかな)東から電光が輝いた後
20. 戦争レクエイム 作品66[5]アニュス・ディ(神の子羊)爆撃された道が裂けている
21. 戦争レクエイム 作品66[6]リベラ・メ われを解き放ちたまえ
22. 戦争レクエイム 作品66[6]リベラ・メ おれは戦いから逃れて
23. 戦争レクエイム 作品66[6]リベラ・メ おれたちを寝かせておいてくれ

2. 広島の犠牲者に捧げる哀歌(ペンデレツキ)

3. ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」(ベルク)