yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

アンリ・デュティユー『ヴァイオリン協奏曲<夢の木>』(1985)『チェロ協奏曲<遥けきなべての国は・・・>』(1967-70)。緻密堅固、重厚壮大、豊麗な音色。声を大にして言い募ろう、これは傑作だ。

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Dutilleux-Cello Concerto (5 / 5)

            

            貼り付け不可 Dutilleux, Stern- Violin Concerto (2/3)
            http://www.youtube.com/watch?v=rdhbK7Xzpn4&feature=related


イメージ 2アンリ・デュティユー (Henri Dutilleux 1916 - )をディティユーあるいはディティーユ、はてまたデュティーユとちょっとした読み方の違いで、ネット検索にヒットしない。ということもあって、このたびやっと検索でめぐり合えた。読みはデュティユーなのだった。ほぼ一年半ほど前に≪アンリ・デュティユー『交響曲第2番≪ル・ドゥーブル≫』(1959)ほか。緻密堅固、重厚壮大にオーケストレーションしつつ流麗なさま、まことに見事。豊麗な音色、響きに酔い、惚れる。≫とタイトルして投稿した。そのデュティユーのヴァイオリン協奏曲と、チェロ協奏曲の2作品の収録されたアルバムを借り受けることが出来た。今まで上記の理由で検索の網に掛からなかったのだ。このうちロストロポーヴィチより委嘱されてのチェロ協奏曲は3年ほど前に≪ジャケットデザインにふさわしい落ち着きと風格、品格さえもつ現代のチェロ協奏曲。ディティーユとルトスラフスキーの2作品をロストロポーヴィチで聴く。≫とタイトルし取り上げ、そこで

【アンリ・ディティーユの作品、これには「はるかなる遠い国……」という副題がつけられており、それは、作曲当時大きく感化されていたというシャルル・ボードレールの「悪の華」にある詩<髪La Chevelure>の詩句からとられたということである。別にボードレールの名が出てくることからの安直な類推ではないけれど、ロストロポーヴィチのチェロの響きの艶めく移ろいが、ことのほか官能的に呻き、すすりなき歌う。古典的様式にありながらもオーケストレーションの豊麗とチェロの官能的な絡みは、品格を感じさせる。チェロに酔い、オケの響きに酔う。これまた幾度となく繰り返し演奏される名品であることだろう。】

と称揚している。今回その「チェロ協奏曲」(1967-70)とおなじにカップリングされた「ヴァイオリン協奏曲」(1985)はフランス放送局がアイザック・スターン(Isaac Stern, 1920 - 2001)のためにデュティユーに委嘱して作曲されたもので、およそ20年近くの時を隔てている。しかし気迫、その音響エネルギー、オーケストレーションの≪緻密堅固、重厚壮大、豊麗な音色、流麗さ≫はより磨きがかかりすばらしい傑作に仕立て上げられている。「チェロ協奏曲」といい、この「ヴァイオリン協奏曲」といい今後世紀の代表的レパートリーとしてその輝きいよいよ増してくることだろう。現代曲にもこのように官能的なまでにゾクゾクするほどにセンシブルで豊麗豊潤なオーケストレーションで唸らせる作品のあることに感じ入ることだろう。声を大にして言い募ろう、これは傑作だ。




アンリ・デュティユー Henri Dutilleux『ヴァイオリン協奏曲<夢の木>』(1985)『チェロ協奏曲<遥けきなべての国は・・・>』(1967-70)

1. Concerto for Violin "L'arbre des songes" by Henri Dutilleux
Performer: Pierre Amoyal (Violin)
Conductor: Charles Dutoit
Orchestra/Ensemble: Charles Dutoit, French National Orchestra
Period: 20th Century
Written: 1985; France

2, 3, 4, 5, 6. Concerto for Cello "Tout un monde lointain" by Henri Dutilleux
Performer: Lynn Harrell (Cello)
Conductor: Charles Dutoit
Orchestra/Ensemble: French National Orchestra
Period: 20th Century
Written: 1968-1970; France