yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ツトム・ヤマシタ『LISTEN TO THE FUTURE~懐しき未来』。その意図や善し。しかしあまりにも甘すぎる。

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京都・大徳寺の「音禅法要」 読経×石楽器で禅を世界に!/ Buddist & Music

            

『懐しき未来』。何だかチンケで、イメージ喚起力の乏しいありふれたタイトル。その中身のほどが察せられるようなアルバムなのだけれど、なにせ、かつて若くして天才的打楽器奏者の名を欲しいままに(武満徹作品『カシオペア』『四季・シーズンズ』のパフォーマンスでおおきくブレークした?)耳目集めたツトム・ヤマシタ(Stomu Yamash'ta, 1947 - )のアルバムが、わずか1枚だけだけれどネット図書館に所蔵されていたのを検索発見し、借り受けた。3年ほど前に≪全身響きと化し耳となり、その醸す響き、余韻は理知というより生理に近い迫真である。ツトム山下の『刑務所の歌』(1972)≫を投稿しているということもあって、その後の動向は如何と知りたくて借り受けたのだった。しかし、正直なところ当てがはずれましたと云ったところだろうか。なんでも、1350万年前より地球上に存在する石<讃岐岩(さぬきがん、sanukite、サヌカイト)>のもつ澄みきった響きを音響創造のテーマに据え、その響きに魅せられて作曲パフォーマンスされたアルバムのよし。その意図や善し。しかしあまりにも甘すぎる。まるでオルゴールが奏でるような甘いメローディーが臆面もなく?サヌカイトで鳴らされるのだ。あの武満作品で聴ける≪生理に近い迫真≫の野生的エモーショナルな響きをついぞそこに聴くことは出来なかった・・・。




ツトム・ヤマシタ『LISTEN TO THE FUTURE~懐しき未来』

1. 刻,ほほえみの中で
2. 変奏曲「愛の園」
3. 石の風
4. 変奏曲「紫野」
5. 沈黙の光
6. 変奏曲「夢」
7. 踊る石
8. 幻想曲「美しき出会い」
9. なぐさめ
10. 祈り
11. 変奏曲「残影」
12. 虹



参考――

http://iroha-japan.net/iroha/D05_instrument/02_sanukite.html 石琴・サヌカイト【日本文化いろは事典】


Sanukaito Stone Music by Toshi Tsuchitori サヌカイト・ライヴ 土取利行