ムハル・リチャード・エイブラムス『Sightsong』(1976)。バックボーンにある西洋クラシック音楽で培われた品性が押し出され、土臭いジャズというよりインテリジェントな音楽性に溢れたパフォーマンス
MUHAL RICHARD ABRAMS : "Sightsong" - from album "Sightsong" (1975) N.Y. - featuring Malachi Favors on bass
シカゴを拠点とし非商業主義を主是とするミュージシャンのための互助組織Association for the Advancement of Creative Musicians(AACM)の発足メンバーの一人にして初代会長であったムハル・リチャード・エイブラムス(Muhal Richard Abrams, 1930 - )のデュオアルバム。共演者はその構成員であり、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの創設メンバーの一人でベイシストのマラカイ・フェーバスMalachi Favors (1927 in Lexington, Mississippi –2004 in Chicago)。もう4年以上も前になるけれど≪音楽への愛おしさあふれるムハル・リチャード・エイブラムス(1930)のピアノパフォーマンス≫とタイトルして、【クラシカルな音楽への愛着、選好を強く感じさせる品のあるロマンティシズムの香りほのか】と、このリリシズム溢れる印象主義的なジャズピアノを投稿紹介した。また、その記事中【多分この時期、ここシカゴ派にこそアメリカ・フリージャズ革新の真正はあったと断言できる。そうしたことを感じさせるパフォーマンスである。】と記した。今日のアルバム『Sightsong』(1976)もおなじく、ムハル・リチャード・エイブラムスのリーダーアルバムらしく、このミュージシャンのバックボーンにある西洋クラシック音楽で培われた品性が押し出され、土臭いジャズというよりインテリジェントな音楽性に溢れたデュオパフォーマンスといえる。品格と品性と言っておこうか。いいデュオアルバムだ。これをもの足りないと言っては大事なものを聴き逃すことになるだろう。
写真:上 / Muhal Richard Abrams、下 / Malachi Favors
ムハル・リチャード・エイブラムス Muhal Richard Abrams『Sightsong』(1976)
Tracklist:
A1. W. W. 4:57
A2. J. G. 5:35
A3. Sightsong 6:18
A4. Two Over One 6:16
B1. Way Way Way Down Yonder 5:28
B2. Panorama 5:59
B3. Unity 5:14
A1. W. W. 4:57
A2. J. G. 5:35
A3. Sightsong 6:18
A4. Two Over One 6:16
B1. Way Way Way Down Yonder 5:28
B2. Panorama 5:59
B3. Unity 5:14
Credits:
Bass, Percussion, Vocals - Malachi Favors
Piano, Composed By - Muhal Richard Abrams
Producer - Giacomo Pellicciotti
Bass, Percussion, Vocals - Malachi Favors
Piano, Composed By - Muhal Richard Abrams
Producer - Giacomo Pellicciotti