yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

トニー・オックスレイ『February papers』(1977・Incus18)。アートフィッシャルで厳しく無機的な美学の世界。フリージャズのウェーベルン的世界。冴え冴えと冷たく心地いい。

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Tony Oxley Derek Bailey 1995 Knitting Factory

            
            投稿音源のものではありません。

適当な紹介動画音源が見当たらないと、やはり投稿の意気込み、テンションがぐんと下がる。むなしいですね。言葉だけだと、こんなアルバムもってますといったつまらない記事に終わってしまう。いくらアーダコーダ言ってもむなしい。共に愉しむ事ができない。きょう投稿するイギリスの先鋭なフリージャズパーカッショニストのトニー・オックスレイTony Oxley(1938-)もそうしたひとり。パーカッションにエレクトロニクスをごく初期から使用する先見性をみせていた人物。ひじょうに、アートフィッシャルで厳しく無機的な美学で魅力ある、いや気骨あるフリージャズを志向していたパイオニア的存在だ。


以下はトニー・オックスレイ関連の投稿済み記事だ。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/55794341.html トニー・オックスレイと画家でありミュージシャンのAlan Davie の『Tony Oxley/Alan Davie Duo』(1975)。ヴァーチカルで鋭い音現代音楽系ヨーロッパフリージャズの良質。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/50753846.html 英・トニーオックスレイ・クインテットのアルバム『The Baptized Traveler』(1969)。時代を拓いたインテンシヴな独特の冷熱ともいえるコレクティヴフリージャズへの若き情熱の沸騰。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/45540793.html インテリジェンスとインテンシヴ。いまだ緊張とリラックスが色あせないフリーコレクティヴジャズ。トニー・オクスレイ(1938-)の『4Compositions for Sextet』(1970)。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/31404405.html 冴え冴えと<サビ>るコラボレーション、トニー・オックスレイの 『ICHNOS』

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/23861064.html 鋭く研ぎ澄ました感性で音を構築するトニー・オックスレイ

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/22601816.html 煌めくThe London jazz composers orchestraのコレクティヴフリージャズ


こうした記事タイトルの寸評評言だけでも、そのパフォーマンスの趣が了解できると思われるが。それらはウェーベルンの影響を感じさせるもので、イギリスに固有の音楽潮流といってもいいくらい独特のものがある。その象徴的存在である稀代のギタリスト、デレク・ベイリーを創設メンバーとするINCUS【=英国で最初の、音楽家自身によるインディペンデント・レーベルで、1970年に発足された。トニー・オックスリー(Tony Oxley)が発案し、マイケル・ウォルターズ(Michael Walters)が資金を提供。デレク・ベイリー(Derek Bailey)とエバン・パーカー(Evan Parker)の二人が共同取締役として参加した。】レーベルのつくり出す一時代を画すトーンともいえるほどだ、

インカスINCUSで記事内検索をしたら以下がリストアップされた。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61013448.html <冷厳の美>『BALANCE』(1973)。ここにもイギリスの「冷え寂び」あり・・・。アントン・ウェーベルンのフリージャズ・ヴァージョン。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/59957540.html デレク・ベイリー、ギターソロ『Lot 74』(Incus 12、1974)。≪意味≫など問う必要はないのだ。偶然がもたらす、意味から解き放たれた音の煌めきはことのほかの真如であることだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/58306499.html エヴァン・パーカーとポール・リットンのデュオ『Collective calls [urban] [two microphones]』(1972)。いま少しの手探り逡巡が残念。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/58258466.html エヴァン・パーカーとパーカッションのポール・リットンとのデュオ『At the Unity Theatre』(1975)。集中凄まじい内的求心の情熱と冷厳の美に息を呑むことだろう。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/57684071.html Company 7』(1977)。音楽の生成の現場に居合わすことのスリリングな緊張感。フリージャズ史の貴重なドキュメントとして意義ある一枚。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56407444.html 英・フリージャズ『COMPANY5』(1977)。無調に根(音)が生えています。たまらなくスリリング。まったく!すばらしい。何よりこの緊張感。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/56148697.html デレク・ベイリーとハン・ベニンクデュオ『company3』(1976)。才人、奇人同士のきわめて親愛・インティメートな心なごむランダムフリーに満ちたパフォーマンス。愈々ことばが追いつかなくなって来た。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/28412361.html デレク・ベイリーと奇嬌なトリスタン・ホンジンガー の異形のデュオ

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/23456703.html 内に向かう洗練された音楽性豊かなイギリス・ISKRAのフリージャズ

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61329394.html ハワード・ライリー『SYNOPSIS』(Incus 13・1973)。フリージャズというより、現代音楽畑の即興演奏にちかい。いずれにせよフリージャズ史に刻み込まれる名盤といえよう。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/60956698.html ハワード・ライリー『FLIGHT』(1971)。燃えはするのだけれど、あくまで理知的に振る舞う。あたかも、70年代の佐藤允彦を思わすようなシャープな熱さだ。





トニー・オックスレイ Tony Oxley『February papers』(1977・Incus18)


Tony Oxley, percussion, violin, electronics;
Barry Guy, double bass (bass guitar on Chant);
Phil Wachsmann, violin; David Bourne, violin;
Ian Brighton, electric guitar.

Quartet 1 (07.26),
Sounds of the soil 2 (07.15),
Brushes (04.06),
Chant-Quartet 2 (06.43),
Trio 2 (05.10),
Combination (06.58),
On the edge [to E.P.] (02.57).

Tracks 1 and 4 feature Guy/Wachsmann/Bourne/Oxley;
tracks 2 and 5 feature Brighton/Wachsmann/Oxley;
other tracks Tony Oxley: percussion and electronics.
Recorded at Hampden Gurney Studios, London, February 1977.



Barry Guy / Phil Wachsmann / Agusti Fernandez, 17 May 2010, Amsterdam