yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ベートーヴェン&ブリテン『ヴァイオリン協奏曲』。別嬪!にして演奏もソーグッド、ナイス。天から2物授けられたジャニーヌ・ヤンセン。

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Britten: Violin Concerto / Jansen • Harding • Berliner Philharmoniker

                

≪「阪神」の180倍規模…専門家「1千年に1度」・・・≫。昨日の東北沖大地震のすごさ。天変地異は神仏の領域とは思うものの・・・、被災された方々の衝撃と喪失の深い悲しみ、それに今後の生活復旧の艱難辛苦に思いをいたすとコトバもでない。多くの友人、知人、きょうだい、(それに母校の後輩諸子たち)が被災し、無残に変わり果てた街並みを目の当たりにし涙した「阪神」淡路大震災の180倍規模!。お見舞い申し上げます。

ネット図書館を検索覗いていて、4ヶ月ほど前に≪仕事からの帰りの車中、いつもはニュースの時間なのに音楽が流れていた。ヴァイオリンコンチェルト。オーケストラのすばらしさと、美しくしなやかに伸びるヴァイオリンの音色に思わず耳そばだて釘付けになった。年に数回あるか無いかのいい出会いだった。・・・くだんの、いいパフォーマンスで会場を魅了したヴァイオリニストがジャニーヌ・ヤンセンJanine Jansen(1978 - )とあった。情けないことに初耳のヴァイオリニストだった。・・・オランダの女性ヴァイオリニスト。ネット画像でみて、その美貌、別嬪のほどにこれまた驚いた。天は二物を・・・と言うけれど。広い世界には、やはり例外、別格はあるもんだ。演奏もさることながら、この超弩級の美貌で、その名は我が胸に刻み込まれたのだった。≫と記して
NHK音楽祭2010。車中で、パーヴォ・ヤルヴィと(バイオリン)ジャニーヌ・ヤンセンのブラームス「バイオリン協奏曲」に聴き惚れる。≫と投稿した、そのジャニーヌ・ヤンセンのアルバムが新しく所蔵されているのに出くわし、予約待ちだったが借り受け聴くことができた。
こんどはベートーヴェンのヴァイオリンコンチェルト。それにカップリングされているのがブリテンの協奏曲。

ともかく、別嬪!。容貌、その美貌に惚れます。もちろん演奏もソーグッド、ナイス。前も言ったけれど美貌で得しているウンヌンのやっかみ、コメントがあるようだけれど、ヴィジュアルがいいに越したことはない。大いなるプラスアルファーであることは言うを待たない。プロであればなおさらだ。衆目のまえで御代をいただき演奏披露するのだから。(それもあるけれど、ヴィジュアル抜きで、虚心に聴くべきである。その技量は確かである。ドシロウトの私ごときが言うコトバではないですが。)

パーヴォ・ヤルヴィベートーヴェンは歯切れのいいハツラツのベートーヴェンで、たぶん現代主流の演奏解釈なのだろう。これはこれで、今までのロマンチシズムに彩られた重々しいベートーヴェン解釈と違って、清新を感じさせるものだった。古楽派の成果を繰り込んだベートーヴェンと言えるのだろうか。

カップリング曲のブリテン『ヴァイオリン協奏曲』は半年ほど前に≪シマノフスキ & ブリテン『ヴァイオリン協奏曲』ブリテンの、骨っぽさと古典的美しさのそなわった不思議な力を湛えたヴァイオリン協奏曲≫とタイトルして投稿し、そこで≪ブリテンの『ヴァイオリン協奏曲ニ短調 Op.15 CONCERTO FOR VIOLIN AND ORCHESTRA D MINOR OP.15』(1939)の方に魅かれるものがあった。この古典的な美しさと剄い精神性に支えられたヴァイオリン協奏曲は、べつに名作傑作の閾の作品ではないのかも知れないが、骨っぽさと形式的美しさのそなわった不思議な力を湛えた曲といえるのかも・・・。いくぶん音楽外的な出来事に引きつられての印象やも知れないが。1939年はイギリスが対ドイツの戦争(第二次世界大戦)へと歩を進めるに至った年だった。作曲の個人的動機は詳らかでないらしいけれど、作品成立の現実の歴史的背景は斯くあったということは忘れるべきことではないように思える。

「芸術家は、彼が暮らす社会の一員であるべきだと私は思っている。彼は社会のために働くべきであり、社会に必要とされなければならない」
≫と印象を記している。

ところで、この曲に関してジャニーヌ・ヤンセンは以下のコメントを記している。

イメージ 2≪「ブリテンのヴァイオリン協奏曲は、ソリストにもオーケストラにも非常に高度なテクニックを要求しますし、そのうえ、音楽的な語法はきわめて激しく、表情ゆたかで、その底には強い緊張感が潜んでいます。カデンツァはとてもヴァイオリン向きに書かれていて、巧みに前の楽章が戻ってきて、第1楽章のスペイン風のリズムが現れると、激しさが頂点に達し、トロンボーンが静かにパッサカリアの主題を奏します。この終楽章こそ、この作品の感情表現で最も重要なところです。ソロから弦楽へと移行する際の信じがたいほどの絶望感と不気味で陰鬱なムードに、私はそのたびに震え、自分が小さくなったように感じて、喪失感に包まれます」
 「そして、私が最も見事だと思うのは、この協奏曲の最後の部分です。祈りのようにはじまったコーダが、痛みと絶望の叫びへと変わります。この協奏曲を作曲した当時のブリテンが、スペイン市民戦争下の世界の緊張にどれほど大きな影響を受けていたかが感じとれることでしょう。最後の音を弾き終えた瞬間、私はすべての感情を使いはたして、ほんとうに空っぽになってしまいます。しかし、同時に元気づけられ、驚嘆の思いでいっぱいになるのです」≫(同梱解説書より)

そうです、≪絶望感と不気味で陰鬱なムードに、私はそのたびに震え、自分が小さくなったように感じて、喪失感に包まれます≫・・・。

新古典的な品性備えた精神性≪骨っぽさと形式的美しさのそなわった不思議な力を湛えた曲≫といえようか。





ベートーヴェン&ブリテン『ヴァイオリン協奏曲』
Beethoven & Britten Violin Concertos

ベートーヴェン
1. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61 第1楽章:Allegro ma non troppo
2. 第2楽章:Larghetto
3. 第3楽章:Rondo(Allegro)

ブリテン
4. ヴァイオリン協奏曲 作品15 第1楽章:Moderato con moto
5. 第2楽章:Vivace
6. 第3楽章:Passacaglia(Andante Lento)



Janine Jansen,Concierto para violin de Benjamin Britten,Paavo Jarvi


Beethoven Violin Concerto, Larghetto - Janine Jansen (audio only)
http://www.youtube.com/watch?v=jTViSEiy1wo