yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

望月 京(もちづき みさと)。ユーモアと緻密にして大胆。はっきり言ってこれ以上におもしろく、期待を持たせる同世代の男性作曲家をすぐには思いだせない。

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Misato Mochizuki - Si bleu, si calme (Part 1)

               


「・・・現代芸術は必ずしも万人にとってわかりやすい表現を目指す必要はないが、作者が自らの行為に自覚的でなければ、なにものも表現され得ない。・・・表現する内容と技術が結びつき、世界が作者独自の方法で再構築された時、その作品は聴衆に新しい「何か」を発見させることがある。これこそが芸術の本質であり、聴衆に向かって開かれた新しい「窓」なのだ。」(望月 京・もちづき みさと)

きのう≪カイヤ・サーリアホ「…煙の中へ」。神秘的なまでの音色の多彩さ、余韻の深さに魅かれて聴き入った。NHK・FMの「現代の音楽」で聴く。≫とタイトルして、フィンランドの女性作曲家を投稿した。その音響への関心は、フランスのIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)での研鑽でいっそう深められた感のする音響造詣だった。それは、フランスの戦後現代音楽の一大潮流といわれているスペクトル楽派の影響顕著と評しても、あながち外れてはいないだろう。わが国でも、こうした経歴と傾向性をもつ、すぐれた女性作曲家がいる。ひとりは、金子 仁美(かねこ ひとみ、1965 - )。そしてもう一人は望月 京(もちづき みさと、1969 - )。先の金子 仁美は今年のしょっぱなに≪金子仁美 『スペクトラル・マターズ SPECTRAL MATTERS』。音への真摯な思イメージ 2索、インテリジェンスと繊細、余韻。集中力と大胆さ。その骨格の確かさ。すばらしい。≫と印象し、すでに投稿している。で、もう一人の望月 京。この作曲家は海外では相当な評価をすでに勝ち得ておおいに活躍しているとのこと。以前FM放送で聴いた折にも、ひじょうな個性で独特の雰囲気(ユーモアと緻密にして大胆)をもった曲趣に感心して聴いた記憶がある。もう6年近くも前にNHK・FMの「現代の音楽」で取り上げられている。


【2005.7.3現代の音楽

                         西村  朗
                   【ゲスト】 望月  京
 - 日本の作曲家 -                   
  ~望月 京~(1)                   
                              
「シ・ブルー、シ・カル」           望月 京・作曲
                      (12分25秒)
            (演奏)クラングフォールム・ウィーン
                 (指揮)ヨハネス・カリツケ
          <Kairos 0012402 KAI>
                              
インテルメッツィ」             望月 京・作曲
                       (8分30秒)
                 (フルート)エヴァ・フラー
              (ピアノ)マリノ・フォルメンティ
          <Kairos 0012402 KAI>
                              
ホメオボックス」              望月 京・作曲
                      (17分00秒)
                  (バイオリン)豊嶋 泰嗣
                    (ピアノ)児玉  桃
          (管弦楽サイトウ・キネン・オーケストラ
                     (指揮)大野 和士
  ~長野県松本市・松本文化会館で収録~   】


残念ながらこの作曲家のアルバムは持っていない。海外盤では作品集が出ているらしいけれど。幸い?動画音源にファンと思しきがアップロードしているものがあったので、ともに鑑賞したくおもう。

こんな作曲家がいるんだ~と、思わず唸ることだろう。たいしたものです。はっきり言ってこれ以上におもしろく、期待を持たせる同世代の男性作曲家をすぐには思いだせない。




Misato Mochizuki - Intermezzi I