yuki-midorinomoriの日記

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ジョージ・クラム & ロジャー・セッションズ 『Songs, Drones And Refrains Of Death / Concertino 』(1973) 。ロジャー・セッションズの骨っぽさ・・

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G.CRUMB: SONGS, DRONES AND REFRAINS OF DEATH (1968) poems by Federico Garcia lorca

              
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Roger Sessions
イメージ 2米国の現代音楽作曲家二人の作品集。といっても新旧世代といってもいいくらいの年の開きがある。ロジャー・セッションズ(Roger Sessions, 1896 - 1985)は19世紀末に生を享け、かたやのジョージ・クラム(George Crumb, 1929 - )は、わが黛敏郎とおなじ29年生まれ。ま、言ってみれば戦前の作曲家と、戦後の作曲家といっていいのだろう。新古典主義からセリエル(無調音列)へと作風を変えていったロジャー・セッションズと、戦後の価値崩壊とともにセリエルから象徴主義へと突き進んだジョージ・クラム。いわば音色、響きへの執拗深甚なこだわりは、いいかえれば詩的ロマンティシズムの志向した音響造形といえるのだろう。きょう、こうした対比的な二作品を聴いて思ったのは、形式、音色の斬新はほとんど感ぜられないといっていいくらいなのだけれど、旧世代のロジャー・セッションズの音楽がもつ骨っぽさだった。米国のもっとも優れた作曲家のひとりといってもいいエリオット・カーター(Elliott Carter, 1908 - )同様、このロジャー・セッションズもヨーロッパへの留学経験をもっている。こうした、大陸の文化、潮流動向の中での本格の研鑽は、太い骨格のしっかりした音楽形成に大いに寄与したのではといいたくなるくらい独自性、確かさをもっている。

ジョージ・クラムの特異な象徴主義の曲趣もいいのだけれど・・・、きょうは旧世代のロジャー・セッションズの骨っぽさ、堅固さに気持ちが行った鑑賞だった。





http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/61982288.html ジョージ・クラム、ロバート・エリクソンNight Music I- Crumb , Chamber Concerto - Erickson』(1963)。久しぶりに現代音楽、象徴主義的曲趣。

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/53940149.html ブーレーズ指揮するエリオット・カーター『作品集』(1988)。音との内省的対話。綾なす音色の複層的なテクスチャーの造形の見事さ、知性の煌めきと練達の筆使い。



ジョージ・クラム George Crumb & ロジャー・セッションズ Roger Sessions『Songs, Drones And Refrains Of Death / Concertino For Chamber Orchestra』(1973)

Tracklist :イメージ 3
A1. George Crumb –
Songs, Drones And Refrains Of Death (A Cycle of Poems by Federico Garcia lorca)(1968)
B1. Roger Sessions –
Concertino For Chamber Orchestra (1972)

              画像:George Crumb – Songs, Drones And Refrains Of Death ,score

Roger Sessions: Symphony No.7 (1967)