yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ブラームス『歌曲集』。歌曲は芸術的でなくてはならないようで。高尚なんですね~。詩ではなく短歌、俳句のわが日本人。はてさて聴いてる人いったいどれ位いてるのかしらん・・・。

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                ジャケット写真なく、冊子画像です。

Von ewiger Liebe(永遠の愛) Brahms Op.43/1、Dietrich Fischer-Dieskau Wolfgang Sawallisch piano

             

        永遠の愛(Von ewiger Liebe)

        森も野もすっかり暗くなった!
        はや夜がおとずれ、あたりが静まっている、
        あかりも見えず、たちのぼる煙もなく、
        雲雀の歌声もいまはやんだ。
        村からひとりの若者が出てきて
        恋人をうちへ送ってゆく、
        柳のしげみの傍を通りながら
        彼らはさまざまなことを語りあった。

        「お前が中傷を受け、あざけりに悩まされるなら、
        ぼくのことで世の人々のあざけりに悩まされるなら、
        愛はすぱやく離れ去るだろう、
        すぱやく、ぽくたちが以前結ぱれたように、
        雨に打たれ、風に吹かれて消え去るだろう、
        すぱやく、ぼくたちが以前結ばれたように」

        その娘はいった、娘はこう語った
        「私たちの愛は離れ去りはしません!
        はがねは固く、鉄も固いけれど、
        私たちの愛はもっと堅固です。
        鉄やはがねは打たれて形を変えるけれど
        私たちの愛を誰が変え得るでしょう?
        鉄やはがねは火で熔けるけれど、
        私たちの愛は永遠に続くでしょう!」

                (ヴェンツィヒ詩)


ちょうど一週間まえに≪ブラームス『合唱曲集~愛の歌』。ウ~ン、ブラームス。やはり憂愁、暗い気分の(宗教的な曲趣を持つ)作品がハモっていてよかった。≫とタイトルして投稿した。

その流れでもあるのだけれど、町の図書館所蔵のCD5枚(2分冊)のうち(1~4)の4枚セットを借り受けてきた。じつは以前借り受けたことがあったのだけれど、ほとんど聴かずじまいで返却したのだった。けれど、今回も似たようなもので、聴き流し程度(それも全曲ではなく・・・)で、しょうじき、とてもじゃないけれど聴きとおすことができなかった。対訳冊子つきであったけれど。

つまりは、歌曲は芸術的でなくてはならないようで、それがおもしろくない、興味を惹かない最大の要因・・・とまで言いたくなるほど退屈だった。

冊子にあったことば。「芸術歌曲」。芸術!。高尚なんですね~とひねくれて言いたくなる。詩ではなく短歌、俳句のわが日本人。はてさて聴いてる人いったいどれ位いてるのかしらん・・・。

あらためて歌曲のよさ・・・芸術!感性から遠い凡俗にはわかりませんね。

芸術的に!歌う?なにそれ。








Elisabeth Grümmer "Regenlied(雨の歌)" Brahms


雨の歌(Regenlied)

降りしぷけ、雨よ、たぎり落ちて
あの夢をもう一度目ざましてくれ、
雨水が砂に泡立っていた、
あの時の、幼かった私の、夢みた夢を!
あの時、うっとうしい夏のむし暑さが
さわやかな涼気に追い払われ、
びかぴかした木の葉が房にぬれて、
種子がほの黒く青味づいていた。

なんという喜ぴだったろう、
水の流れにはだしの足をひたし、
あちこち草の中を歩きまわり、
もろ手で水の泡をすくい、
冷たいしずくを
ほてる煩に受け、
さわやかに立ちのぼる香気を
幼い胸の中にそよがせたりしたのは!

しずくをしたたらせる萼のように
魂はのぴのぴと呼吸をし、
香りに酔いしれた花のように
天の屋の中にひたっていた。
降りそそぐ雨滴のひとつひとつは
深く心臓の鼓動までも涼しくして、
この世に生を受けたものの聖なるいとなみは
陰微な生命にまでしみ渡っていた。

降りしぶけ、雨よ、たぎり落ちて
私のむかしの歌を目ざましてくれ、
おもてでしずくが音をたてていたときに
戸口で私たちがうたった歌を!
私はあの歌をもう一度聞きたい
あの歌の甘美な、湿ったひぴきを一
幼かった日の敬虔なおそれで
秋の魂をやさしく濡らしながら。

          (グロート詩)


上掲訳詩はすべて同梱冊子より引用




「 4つの厳粛な歌 Vier ernste Gesänge Op.121 」

Dietrich Fischer-Dieskau "Denn es gehet dem Menschen wie dem Vieh" Brahms
http://www.youtube.com/watch?v=E4DOJhjwPME
Dietrich Fischer-Dieskau "Ich wandte mich und sahe an alle" Brahms
http://www.youtube.com/watch?v=YD12mu3uLDQ
Dietrich Fischer-Dieskau "Wenn ich mit Menschen-und mit Engelszungen redete" Brahms
http://www.youtube.com/watch?v=GFPJfIQK5ww
Dietrich Fischer-Dieskau "O Tod, wie bitter bist du" Brahms
http://www.youtube.com/watch?v=PNKXJqndQ_U&feature=related

http://homepage2.nifty.com/182494/LiederhausUmegaoka/songs/B/Brahms/S2219.htm 『 4つの厳粛な歌 Vier ernste Gesänge Op.121 』対訳サイト