yuki-midorinomoriの日記

イメージを揺さぶり脳をマッサージする音楽

ローランド・カイン 『Elektroakustische Projekte』(1977)。従来の伝統的な音楽作曲技法をまったく介在させないサイバネティック(システマティック)なデジタルノイズサウンド

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Jackson Pollock

サイバネティクス

               

イメージ 2きょうの投稿も、すでに6年以上前の拙ブログ開設まもない頃にとり上げているアルバムの再登場となる。動画音源の爆発的なネット上での拡がりを迎える直前の投稿と言うこともあって、文字だけの記事投稿に終わっていたのだけれど、きょうやっと音源紹介の条件が整ったということで、その電子音楽のアルバムを再度とりあげよう。それは、以下の2稿でとりあげたローランド・カイン Roland Kayn のアルバム。(WIKI項目がないので、ハッキリしたことは分からないのだけれど、去年1911年に亡くなっているようなのだ。きょうはじめて知った。)


http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/27492510.html ローランド・カインの異様異形なデジタルコスミックノイズの世界

http://blogs.yahoo.co.jp/tdhdf661/23754202.html ひたすらに音響としてノイズを聴く強い意志ローランド・カイン


以下はその記事よりの部分を再掲。


【 徹底的に電子音のノイズで埋め尽くす、この人工意志のありどころは奈辺にありや。ここまでくるとなにやらSFめいて電子機械そのものがノイズ語で生命の息吹をうたいあげている風情である。ローランド・カインRoland Kayn(1933~)は自らの電子音響作品をサイバネティック・ミュージックCybernetic Musicと称し、No Concrete, No Electronic, No Computer music、No Organized, No Structured, No Aleatorical Musicと定義づけている。つまりは電子音楽のみならず、従来の音楽上の規定さえもことごとく当てはまらぬといっているのであろう。この意気や壮なるものといえよう。・・・】


いわば、従来の伝統的な音楽作曲技法をまったく介在させないサイバネティック(システマティック)なデジタルノイズサウンドといったらいいのだろうか。


イメージ 3【 初めて遭遇する奇態な騒音、圧倒するエネルギーに満ちた音塊,異形の騒雑音の世界にことばを失う。電子が発し、変容された初めて耳にする異形の音の数々に耳そばだてるこの不可思議な体験は何か?このような騒音、ホワイトノイズに人が魅かれるのはなぜか?騒音と共に生命の誕生が音連れたのだろうか。まるで宇宙の沈黙が電子増倍されたらかくのごとくであったとも言えるのではとも言いたくなる。可視領域を超えた原子運動の渦巻くデジタルノイズ。いやひょっとして、ハッブル宇宙天文台がとらえている宇宙の渦巻く神秘的な荘厳な世界は、もし大気の媒体を通せば斯くなる騒音を轟然と放っているのではと断じても、あながち的外れではないのかもしれない。ノイズ世界の突然の終止と共に聴き手に与える、心、魂が吸い取られでもしたかのような空虚な空白感、これはなんだろう。まことに騒音、雑音の群れ、流れ行くさまを聴いて斯くなる想念に引きずりこむ世界はローランド・カインの3枚組みとして最初に出されたこのアルバムを嚆矢とするのではないだろうか。異様異形の電子音響世界である。 】


斯くも衝撃的なノイズとの出会いだった。さて、いかがなものでしょう。

人間の精神の営みとは?

ノイズから死の沈黙へ。



Roland Kayn 『 Elektroakustische Projekte』(1977)

Tracklist:
A. Cybernetics I 20:20
B. Cybernetics III 22:52
C. Entropy PE 31, Teil 1 25:25
D. Entropy PE 31, Teil 2 26:25
E. Monades 29:00
F. Eon 28:30



Roland Kayn: Cybernetics III (1969/1977)



http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0867.html 松岡正剛の千夜千冊『サイバネティックス第二版』ノーバート・ウィーナー